生徒会へようこそ【MISSION"3"おばあちゃんを捜索せよ!】-1
僕の視界がゆっくりフェードアウトし始める。
これはあれか。現実逃避ってやつか。
避けられない現実から目を逸らそうとしているのか。
「優、停学ってどういうことだ?」
宝さんそれ以上言わないでぇっ!
「よーお!お前ら今日も暇かー?」
ドアがガラッとスライドして誰か入ってきたが、僕にとってはそれどころじゃない。
「うるっせーよ!今日も悲しいことに暇だよ!」
「だろーな」
「…人の出入りが激しいのもオレは嫌だがな」
「来るなんて珍し〜。雪降るかなぁ」
「おいお前ら、俺はこれでも顧問なんだぞ」
「でも、一度もお顔を出したことがなかったですよね、渡邊先生」
……渡邊先生!?
一人、部屋の片隅で頭を抱える僕の耳に、素敵な人名が飛び込んできた。
「…わ、渡邊せぇんせぇ〜いっ!!!」
「うわあぁっ!香住いたのか!?抱きつくな!鬱陶しいっ」
僕は思わず先生に飛び付いた。
「ほーう、香住はアレだったのか」
「アレ?アレとは何ですか?」
「アレなんだねー。受け身っぽいしねー。女顔だし」
「小鞠さん!アレとは何なのですか!?キミさん、アレとは…」
「アレというのはな、中性男子生徒とオラオラ男性教師のイケナイ…」
洒落にならない会話が四人の中で繰り広げられているが、今はそれどころじゃない。
「あ、あの…あの渡邊先生ちょっと…」
「う、うお!なんだ!なんなんだ!」
僕は渡邊先生の腕を引っ張って廊下に連れ出した。
「お、逃げたぞ!」
「やーん、積極的ぃ」
「てことで、アレとはソレのことだ」
「キ、キミさん!それは真ですか!では、優と渡邊先生は…」
「間違いない」
「…うぅむ」