幻蝶(その1)-4
…ヤスオさん…いやよ…お願いだから、やめて…と、ママがなぜか震えながら言う。
こんなママは可愛かった。ボクはママの髪をアサちゃんみたいに優しく撫でてあげる。艶々と
ママの綺麗な唇が湿っている。
ママの開いた腿の付け根に、ボクの堅くなったペニスの先端が触れる。包皮が湿り、亀頭のえら
のような肉淵は、まだピンク色だ。ママの秘穴を堅くなったペニスの先端が探っていた。濡れた
秘裂の幾重もの縦皺のママの性器が、なぜか蝶に見えてくる。
…どうして嫌なの…ママはこんなにボクのものを欲しがっているじゃない…
ボクのものをとらえた肉色の舌のようなママの陰唇は、おぞましいくらい粘り気をもち、蛇が鼠
を捕らえたようにボクのペニスを咥え、深く呑み込み始める。
ママの仄暗い肉洞が、どくどくと脈打つように疼いているのが伝わってくる。
ママの蜜汁がぬかるみ、ボクの包皮に徐々に深く滲み込んでいく。ボクのものを含んだママの性
器の中で肉襞が撥ねるような音をたて、ねばねばとボクのペニスに執拗に絡らみ、少しずつ締め
つけてくる。
そして、ボクは早々とママの中に射精した…。
ボクのペニスを深く包み込んでくれたママのあそこの生あたたかい襞の感触が、今でもボクのペ
ニスに余韻のように残っている。
あのとき以来、ママはもうこの家に戻ってくることはなかった。あれからボクは、ずっとこの家
にひとりで住んでいる。
アサちゃんを買ったのは、亜沙子さんに会った三年前だった…。
バイト先のコンビニに、たまたま立ち寄った亜沙子さんは、すっかり大人の女性だった。
高校卒業以来、初めて見た亜沙子さんだったけど、ボクはひとめで亜沙子さんだとわかった。
ボクは目をあわせるのが恥ずかしかった。火照った顔をうつむいたまま仕事をしていた。亜沙子
さんがボクに気がついたかどうかはわからない。
その日のバイトの帰りに、ふらりと寄った雑貨店に置いてあったのが、フィギュアのアサちゃん
だったのだ。
偶然だった…。
ボクがコンビニで会ったばかりの亜沙子さんにそっくりだった。亜沙子さんの顔の細かいところ
まで酷似していた。髪型、顔、唇…それに、胸のふくらみや体の線、それにすらりとした綺麗な
脚…花柄のワンピースも見かけた亜沙子さんが着ていたものと似ていたのだ。
ボクは即座にそのフィギュアを買った。そのときからそのフィギュアはボクの宝物になったのだ。