君の瞳に恋してる・U-1
「――でね、結花の彼氏は30歳ですっごいイケメンなの!」
「そうですか。荒川さんは大人っぽい雰囲気ですし、モテるんでしょうね」
「…先生も結花みたいな子、好み?」
「えっ!?僕は年相応な方がイイですが…」
「そっか♪」
海はちょっと勇気を出して聞いてみたが、良い返事が返ってきて胸を撫で下ろした。
友達の結花は大人びていて美人だが、海はどちらかと言えば幼い。一般的な高校生と言った感じだ。
「海さん、着きましたよ」
加持がゆっくりブレーキペダルを踏み、海の家の前に車を停車させた。
「…うん」
あ〜あ…もう着いちゃった…
「今日も送ってくれてありがとう!明日も準備室行ってもイイでしょ?」
運転席の加持を見ると、少し切なそうな顔をしているように見えた。
「先生?」
「…いえ、ではまた明日、準備室で」
「…うん。じゃあね」
海はバタンと助手席のドアを閉めた。
どうしたんだろ…先生……
「ねえねえ見た?加持くん!」
「見たあ!髪切ってたね!」
「そう!しかも意外とカッコよくない??」
「そーなの!!前はもっさい奴って思ってたけど、さっぱりしたらイイ感じなの!」
「C組の子が言ってたけど、加持くん目の色左右違うんだって!!」
「うっそ!マジで?!カラコンじゃなくて?」
「聞いたら生まれつきなんだって言ってたらしいよ!」
「マジ〜〜!?全然気づかなかった!!」
「ねえ、ちょっと見に行かない?!」
「行く行く!!」
職員室いるかな〜と言いながら女子生徒は教室を出て行った。