ＯＬ美貴 串刺し-1
「友樹。何があったの、話してみな。」
友樹は仕事場の後輩だった。普段は陽気な友樹が、今日は少し様子が違っていた。
朝から一日中ため息をつき、普段ではありえないようなミスの連発していた。私は、
そんな友樹を居酒屋に誘っていた。
「わ、わかります？」
「分からいでか！」
「実は、彼女とうまくいってなくて・・・・」
「そんなことだと思ったわ。」
友樹は、私のお気に入りだった。１年前に入社し私の後輩となった友樹は背が高く、
驚くほど綺麗な顔立ちをしていた。そんな友樹に心を奪われるのに時間は掛からな
かった。私は友樹の気を引こうと飲みに誘い、その度に友樹に引かれていった。
しかし、友樹には彼女がいたのだ。私は友樹を誘惑しようと何度も考えたが、彼女
がいる友樹に手を出すことができなかった。
友樹の言葉に胸が締め付けられる。分かれてしまえと言えればどんなに楽だろう。
私は、そのことに無関心を装いながら、友樹との会話を続けていた
「で、何があったの？」
「何って、その・・・・」
「話したくないなら無理にとは言わないけど、見ていられないのよ。」
「俺が悪いんです。ふられて当然だと思います。
てか、俺のような男は彼女を作っちゃいけないんですよ。」
友樹は自暴自棄になっているようだった。
「それは、いくら何でも考えすぎじゃない？」
「俺は・・・・・」
「浮気でもしたの？」
「いいえ」
「じゃあ、なに？」
「俺が、変態だから・・・・」
友樹は、消え入るような声でそう言った。さすがにその発言には驚いた。他の男な
らさっさと話題を変えて引き上げるところだが、私は友樹の全てに興味があった。
「いまどき、少々のことじゃ変態なんて言わないわよ。何があったの？」
「いえ、その、話さなきゃだめですか？」
「話して！！！」
誰も知らない友樹の内面を覗けるのだ、意外な展開に私は興奮を覚えずにいられな
かった。
「でも、だめです。話せば美貴さんに嫌われます。」
「大丈夫よ。だいたいもう変態だってカミングアウトしたじゃない。」
「そうですけど・・・・」
「話して。」
「笑わないですか？」
「笑わないよ。」
「俺、痴漢なんです？」
「痴漢って、電車とかの？」
「はい。」
「まあ！？」
「驚きますよね？」
変態と言うより犯罪じゃない？ 友樹じゃなければ、張り倒しているところだった。
しかし、友樹は違う。私は、友樹の性癖を知る興奮に酔いしれていた。