Crimson in the Darkness -出遭-V-1
有り得ねぇ……。
リアナが来てから数時間、昼過ぎに来て、もう外は薄暗くなってる。リビングのローテーブルを囲う様に座って、ひたすら食って、飲んで、寛いでやがる。リーも全く警戒しなくなって、リアナに纏わり付いてる。
懐くのは結構だし、仲良くなるのも結構だ。ただ、肝心の“話”ってのはする気ないのか……?
「なあ、リアナってアークの友達なの?」
「違うよ」
オイ、ザックリ否定したな。昨日今日会ったばっかりで友達か、と言われれば、まあ、首は傾げるけど。
「リーちゃんはココ、好き?」
「ココって?」
「今いるトコロ」
やんわりと笑み、リアナはリーに優しく問うと、少し間を置いてリーは頷いた。
「そっか。あ、コーヒーのお替り貰って良いかな?」
「好きにしろ」
愉しそうに笑ってリアナはカップを持って立ち上がった。そして、アイツがキッチンへ行って直ぐ。
―――ガチャン
何かが割れる音が聞こえて、振り返ると、リアナが固まったまま立っていた。