Crimson in the Darkness -出遭-V-3
「どんだけお嬢様なんだよ」
お茶一つ淹れたことないってか。オレからすりゃ別世界の住人だな。
「いや、そーゆーわけじゃないんですけど…………っ」
困った顔で笑っていたが、リアナはパッと手を引き戻した。
良く見りゃ指先から血が滲んでる。
「……おい。言ってる傍から指切ってんじゃねぇよ。手え洗え。後で絆創膏持ってくるから、座れ」
「お、お世話掛けます……」
手を洗ったリアナは肩を落としてローテーブルに戻っていった。
これ以上はジャマだ。
「…………」
さっきからボケッと突っ立ってるリーもジャマだ。
「おい、リー。邪魔だ、お前も座ってろ」
「…………」
ジッとリビングの方を向いたまま動きはおろか、喋りゃしねえ。背中しか見えないから、どうしたのか解らない。