Crimson in the Darkness -出遭-V-2
「スミマセン。割っちゃいました、カップ……」
申し訳なさげに視線を落として、頭を下げた。
ったく、メンドクセェな。立ち上がって、リアナの傍に行くと、床には砕けたカップの破片が散らばっていた。コーヒー淹れる前だったんだろう。破片以外は散乱してないから片付けやすい。
「はあ。…………良い。片付けるから、お前、座ってろ」
しゃがみ込んで破片を片付けだしたら、リアナも座り込んで拾い始める。
「え、あ、やります。片付けますっ 割っちゃったの、私ですから」
「大丈夫? リアナ」
その上、リーまでやって来て……ウゼーな、3人でやるコトじゃねーだろ。
「大丈夫、大丈夫。ちょっと慣れてなくて」
あはは、と笑うけど、その声は何処と無く恥ずかしそうに聞こえた。
「何がどう慣れてないんだよ。たかがコーヒー注ぐだけだろ」
ガキでも出来るんだ。慣れとかンな問題じゃねぇ。
「え、や、その、そういうこと殆どしたことなくて」
しどろもどろ。これが一番ピッタリだな。下手すりゃ挙動不審な動きでリアナは欠片を拾う。