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唯高帰宅部茜色同好会!
【青春 恋愛小説】

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唯高帰宅部茜色同好会!(第三章)-7

***

「…どうなってる?」
「今からだ」

全校生徒が集まった開会式を終えた後、俺達のクラスは2−Eと当たることが決まった。
スポーツ推薦クラスと当たれば流石にやる前から終わっていたが、無事に普通科のクラスとの対戦でほっとした。

さらに俺達は運良くシードを引くことができたため、俺達の試合は午後の第一試合となった。
だから当然のように午前中はすることがない。
なので女子のバレーを応援することにしたのだった。



試合開始で出場選手がコート集まっている。

「ありゃ、サキは補欠か」
まあなんとなくわかってはいた。サキは小さいし運動音痴だからな…

「はいっ!」

だが一方、コートに立つマリィの動きは凄かった。
縦横無尽に走り回り、まさにエースの活躍だ。

アイサは持ち前の運動神経もさることながら、背の高さを生かしてブロックなんかを決め続けていた。

二人の活躍で初戦の相手を圧倒している。

「……なんだ、結局女子も合わせてクラスで張り切ってるのは茜色だけか」
「どうなんだろうな、それって」
ユーリの言葉に頷く。
「別にクラスでも普段はよく話すし仲良いやつもいるんだけどな…どうもこういうのを頑張るのはかっこ悪いとか、無駄だとか思うんだろう」
「もったいねーよなぁ」

二人でそんな話をしていると、キスケが遅れてやってきた。
「わり」
「何やってたんだ?」
「いやぁ、トイレで紙がなくなってよ…ヘルプミーを連呼してたぜ」
「……」

結局そのまま女子の勢いは衰えず、初戦は快勝した。

それから少しして、観客席となっている体育館の二階に三人が上がってくる。

「お疲れ、すごかったな」
「楽勝じゃん」
「ありがと、でも相手は一年だし」
「次は三年生と当たるんだよー」
あたり前だが汗ひとつかいていないサキ。
だが応援は頑張っていたみたいだ。
「ふふん、三年生など、あたしとアイサのコンビプレーでけちょんけちょんよ。ねえ、アイサ」
「え、ええ…」
三年生が近くにいたらどうすんだよ…

「男子も頑張ってよー!作戦とかあるの?」
「作戦というか、俺たちは守備がひどいからな。いくら点とられてもいいから相手より多く点をとる」
「その名も、打ちまくれ作戦だぜ!」
「あんた、その名前今考えたでしょ」
「……」




「ああーっ!」
「惜しいところまできたんだがなぁ」

残念ながら女子は二回戦で敗退してしまった。

「やっぱり相手全員やる気があればかなわないか…」
相手は最後の球技大会だし、受験を控えていても気迫で二人に勝っていたらしい。

「…改めてこちらのハンデの大きさがわかるぜ」
「そうだな…」

楽しみではあるものの、不安は拭えなかった。



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