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唯高帰宅部茜色同好会!
【青春 恋愛小説】

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唯高帰宅部茜色同好会!(第三章)-5

***

「ね、久しぶりにみんなで出かけない?」
「なんだよ急に」

球技大会を明日に控えた放課後、全員が集まるとマリィが笑顔でそんなことを言い出した。

俺達茜色はほぼ毎日、放課後で夕日が沈むまで時間を潰すのが通例だが、たまにどこかに出かけたりすることもある。

ほとんど新しい喫茶店ができた、とか、買い物行きたい、とかそんなだけど。

「暑いから教室でいいぜ俺は」
「キスケうっさい!」
やはりキスケはいつもの扱いだ。

「どこ行くのー?」
「むふふ、バッティングセンター」
サキが訊くと、マリィはニヤニヤしながらそう言った。

「はぁ?なんでまた」
「昨日さ、どんなだろうと思ってテレビで野球中継見たらさ、なんかやってみたくなっちゃって!」
どうやら姫は野球にハマったご様子で。
「日野選手かっこいいのよ!」
ああ、あの大物イケメンルーキーね。
そんなことを言いながらマリィはバットを振る真似をしているが、手が逆だったりする。

「ま、いいんじゃないか?俺達も予行練習になるし」
ユーリは肩から下ろしたばかりのバッグを再び担いだ。

「自打球で怪我とか筋肉痛とか無しな」




学校の裏手を十分ほど歩くと、小さなバッティングセンターが見えてきた。
ここからでも快音が聞こえてくる。

あるのは知っていたが、ここに来るのは初めてだった。
中に入ると、小さなゲームコーナーなどがある。
ごく一般的などこにでもあるバッティングセンターだ。

早速それぞれ料金と引き換えに、機械に投入するコインを受け取ると準備を始めた。

女性陣はちょっとだけだが、やはり男性陣は大量にコインを手にしていた。
「キスケ、お前だって戦力なんだからな。調子に乗って豆とか作るなよ」
「わかってるぜー」
なんて言いつつ、プロ仕様のコーナーに入っていく馬鹿だった。

「ま、どうせ余所のクラスもそう経験者はいないだろうから遅めでいいんじゃないか?」
ユーリはそう言って一般向けのコーナーへ。

「ね、アッキュ、どうすればいい?」
見るからにワクワクしているマリィもいるし、俺は女性陣に付き合ってから始めることにした。

「まぁ、ここだろうな」
女性向けのコーナーに三人を連れてきた。ゆるいボールしかこないし、これなら当てるくらいはできるだろう。

「バットの持ち方はこうな。マリィ、手が逆」
「アッキュン…怖いよー」
サキは運動音痴だし、怖がるのも無理ないか。
「自分には飛んでこないから大丈夫だ。どうせ初めてなんだし、ストレス解消のつもりで思いっきり振ってみろ」
「うん…」
「アイサ、剣道じゃないからな」
アイサはバッターボックスで体を正面に向けていた。いかにも竹刀という名の金属バットで打ち込んできそうな体勢だ。


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