Crimson in the Darkness -出遭-U-2
「何でもねえ」
「?」
訳が解らないのか、リアナは首を傾げる。
けど、オレも思ったことを言えるわけもなく、テキトーにはぐらかしておく。リビングへ通すとリーがこっちを伺うようにじっと見てきた。
「こんにちは」
柔らかく、優しい声でリアナはリーに挨拶を告げた。距離は詰めずに。
「こ、んにちは……?」
警戒心剥き出しのリーは怪訝そうにリアナを見詰める。すると、リアナは急にしゃがみこんだ。
「私はリアナ。リアナ・シルフィード、宜しくね?」
……初めてファミリーネームを聞いたな。
てか、シルフィード? どっかで聞いたことある気がすんだけど。まあいいか。
「おれ……は、リー……」
「うん。リーちゃん、だね。可愛いね」
サラッと言いやがる。女同士ってそんなもんなのか? リーは吃驚して目を白黒させてる。