完・嘆息の時-8
「んあっ!」
ビクンッと肩を震わせ、愛璃は悩ましそうに眉の付け根を釣り上げた。
「こ、これが愛璃の……す、すごいな……もう入口までヌルヌルになってるよ……」
「ご、ごめん……わたし、濡れやすい体質みたい……ゃんっ」
神山の指が、ヌラついた淫唇の割れ目にそって大きく上下に動く。
指の動きに合わせ、ピチャピチャといった厭らしい音が二人の耳にもハッキリと聞こえてくる。
その淫靡な音は、背徳感ある二人にとってあまりにも刺激的だった。
「今だけ……今この時だけは俺の女なんだよな……そう、そう思っていいんだろ、愛璃?」
「ああ……神山くん……」
引っ掻くようにして撫で擦っている指がときおりクリトリスに当たり、そのたびに愛璃の腰がピクンッ、ピクンッ、と艶かしい痙攣を見せる。
神山のほうはもう箍が外れたように息を荒げはじめていた。
「ああぁ……愛璃……君は貌も身体も、すべて最高だ」
神山は、股間に置いていた手を上に戻して一気にシーツを剥ぎ取った。
「いや……は、恥ずかしいよ、神山くん……」
「あの夜さ、君に『昔とぜんぜん変わってないな』って言ったけど、それは大きな間違いだった……君は、いまの君は、あの頃より凄く魅力的な身体になってる。大人の女だけが持つ色気、艶やかさ……いまの君からはそれが十分すぎるほど感じられる」
柔らかそうに実っているゴムマリのような乳房、それに淡い色素の乳輪と乳首、神山は恋慕する女の美しいバストにじっとりとした眼を向け、溜息を漏らした。そして、そのふっくらとした形の良い乳房をムンズと両手で掴み、ギュッ、ギュッ、と慣れた手つきで揉みはじめた。
「あっ……ん……んん……」
優しい手つきから時には力強く。揉み方に加減をつけながら、下から上へ、ときには円を描くようにして揉みまわしていく。
「か、神山……くん……」
少しずつ雰囲気を変えていく神山に、愛璃はチラチラと哀切の眼を向けた。
が、しかし、神山は揉みまわしている乳房から片時も眼を離さないでいる。
半ば馬乗り状態で執拗にバストを愛撫してくる神山。
下腹部には勃起しきった男の逞しいイチモツがどんと圧し掛かり、嫌がおうでもその存在を意識せずにはいられない。
愛璃のほうも徐々に余裕を失いはじめていた。
性感帯の一つをしつこく愛撫され、ジィーンとした重い快感がゆっくりと肢体を流れていく。
それが秘芯に到達するたびに鈍い電流が脳を刺激し、思考が甘い感覚に揉まれてしまう。
「……あ……んっ……んん……」
乳房をネチッこく揉みしだかれ、搾り出された乳首を指のあいだに挟まれグリグリと快美に甚振られると、愛璃はもう堪えきれずに唇をわななかせて小さな声を上げた。