完・嘆息の時-13
「アアァ……ア……ア……アアッ」
しとどに濡れた柔らかな肉の感触をじっくり味わおうと、神山がゆっくりゆっくりと肉棒を進めていく。
まだ三分の一ほどしか埋まっていないにもかかわらず、あまりにも強大な快美感に愛璃はすっかり言葉を失っていた。
「くう……やっぱりジワジワなんて無理だな……駄目だ、我慢できない……愛璃、一気に入れるぞ」
痺れあがる腰に耐え切れず、神山は言うや否や残りの肉幹をズンッと一突きで根まで埋めてきた。
「ンアアッ―――!」
とてつもない愉悦の波が秘芯を揺らしながら、ものすごい勢いで脳天にまで駆け上がっていく。
愛璃は反射的に背を反って瞳を伏せた。
閉じた瞼の裏でパチパチと弾ける小さな花火―--。
こんなにも簡単に気をやるなど、まるで信じられない―――。
セックスとはこれほどまでに快美で苛烈な味わいを持っていただろうか―――。
少し緩やかになっていくオルガスムスのなかで、愛璃は自身の肉体に疑問を抱きながら薄っすらと瞼を開いた。
「愛璃……君の中……すごくヒクヒクしてる……それに、言葉にならないほど心地いいよ」
うっとりした顔で言いながら、スウッと唇を重ねてくる。
「んっ……んん……」
唇を弄り、舌を絡めとりながら、肉棒を膣の最奥まで埋めたまま神山が小さく腰をグラインドさせていく。
「ん……んあっ……ああっ……んっ、んん」
キュ、キュ、と悩ましい収縮をみせる膣のなかで、グリグリと力強く回転している神山のイチモツ。
その甘美な動きに、愛璃は堪らず唇を離して喘いだ。が、すぐに神山の唇が追いかけてくる。
苦しそうに、切なそうに鼻から吐息を漏らしつづける愛璃。
神山がようやく唇を解放し、今度は腰を縦に振りはじめていく。
「あっ、あんっ……うっ……んっ……んあっ」
一打一打を入念に叩き込みながら、双方の乳房を鷲掴みにしてギュウッと揉みあげる。
愛璃の身体はもう完全に官能へと支配されていた。
ストロークの早さにも強弱をつけてくる神山の腰使いに、ふつふつと煮えたぎっているような欲望がいまにも爆発しそうだった。
亀頭のエラに何度も膣の粘膜を擦り返され、快楽のうねりは際限なくどこまでも広がっていく。
秘芯は激烈な甘美によって蕩蕩に緩み、凄まじい苛烈な快美感はゾワゾワと肢体を揉みこみながら脳の中枢神経をも愉悦の歓び一色に変えている。
夫とのセックスではありえない感覚だった。
「あ、愛璃……もう……もうイキそうだ……」
パン、パンッ、と小気味よく腰を叩きつけながら神山が呟く。
神山はスキンをつけていない。
このまま中に出されたら大変なことになる―――そんな焦りが一瞬湧いたが、圧倒的な愉悦にあっさりと掻き消されてしまった。