調教物語(その4)-1
キーンという金属音を発しながら、
研二郎を乗せた飛行機はその空港の滑走路を滑るように着陸した。
すでに到着している他の旅客機や、貨物機、
更に管制塔等が窓の視野から流れていく。
乗客達はほっとしたのか、何人かの人達はパラパラと拍手をしている。
研二郎はそれを横目で見ながら苦笑する。
(やっと着いたな、優子が住んでいる場所に・・)
窓から見ると、空はどんよりとしているが雨が降る気配ではない。
研二郎が飛行機を利用してまで女に逢うのも珍しい。
空港での手荷物チェックがあり、金属製のものを持ち込めないので、
現地購入と言うことにしており、特に問題はない。
一通りの手続きを終わり、優子と待ち合わせをしている到着ロビーから、
広場へ出た。
優子には飛行機の便と到着の予定の時間は伝えてあるが、
ほぼ予定の時刻に到着している。
研二郎はその空港には、前に来たことがあるので分かっていた。
しかし、今回は女を調教しに東京から来たのだと思うと、
自分の気まぐれさに苦笑した。
(わざわざこんな処まで来なくても、女はいるのに・・)
そう思いながらも、優子がそれ以上の女だと確信している。
辺りを見渡してもそれらしき女が居ないので、
優子に到着を告げようと携帯電話を取り出そうとしたとき、
コッツコッツというヒールの音がして、彼の前に誰かが近づいてきた。
それは優子だった、というよりも優子に違いないと直感した。
研二郎はゆっくりと顔を上げる。
彼の前には一人の女が立っていた。
(おぉ、これがあの優子という女?)
そう思うほど、その人物は初め思ったイメージとは違っていた。
前に見た写真では普通に地味な服と髪型をしており、
美人ではあるが、そう目立つ存在ではなかった。
しかし、目の前に居る女は、その写真に比べ一皮剥けた美しい女だった。
彼が想像していたのとは違い嬉しい誤算である。
着ている洋服はワンピースで、トップスは淡いグレー色、
スカートは明るい色の花柄プリントで、
センスが良くフェミニンなシルエットで立っていた。
髪は胸まで届くような長さで女らしく、
化粧は目立たないようにしているが、それでも輝いていた。
長い睫毛や、通った鼻筋、チャーミングな口元が可愛ささえ感じる。
更に彼女を引き立てているのは、その肌の白さだった。
研二郎がそれ以上に気に入ったのは、彼女の体つきだった。
服の上からでも分かる形の良さそうな胸、肉付きのよさそうな腰だった。