唯高帰宅部茜色同好会!(第二章)-11
「……ってマリィ、お前」
俺も同じような状態なのは重々承知なのだが、マリィはなんだかまた違うように見える。
ブレザーを着ていなかったからかブラウスは透けてるし、スカートは太ももに張り付いていた。
つい言葉を失ってしまう。
「……キスケさ、コンタクトにしたほうがいいんじゃない?」
無言の状態を打ち破ったのはマリィだった。
「は!?あぁ、わかったぜ、ベタだなマリィも。俺は眼鏡を外すとイケメンだっていうんだろう?」
「はぁ!?あたしはそのだっさい黒縁眼鏡は外したほうがまだましに見えるんじゃないかなって思ったのよ!ばっかじゃないの!?」
「なっ!この眼鏡は俺のチャームポイントなんだぜ!」
「チャームポイントって…あんた意味わかって言ってんの?せっかく少しでも見た目をましにしてやろうと助言したのに!」
「ふん!俺はこいつと一心同体なんだぜー!」
マリィと言い争う時間はとても楽しく過ぎていく。
「…まぁいいわ。今日は暑いし、いい涼みになったわね」
「…歩いてれば乾くだろうしな」
だがいつも、すぐに終わってしまう。
アッキュとはいつまでも折れずに言い争うのにな。
悔しいぜ、アッキュ。
お前が労せずマリィの心を奪っていくのが。
「あ、あっちゲームやってるわよ」
「ゲーム?」
「よくあるじゃない、ボールを的に当てるとか、輪投げみたいなのとか、チープな」
「チープ言うな」
まあどんなことでも付き合ってやるか。
俺がアピールできる時間は、もう残りわずかなんだから。