HappyBirthday〜金峰学園生徒会黙示録其の1〜-6
〜〜〜〜♪、〜〜〜〜〜♪………
キレイなメロディーが、辺りに響き渡る。
パァッと顔を輝かせている小春に、俺は、言った。
「小春、生まれてきてくれて、ありがとう。……誕生日おめでとう。小春」
小春は、「うん……」と呟いて、いきなり俺に抱きついてきた。
(……えっ、えぇえええええええええええええええええええええええええええええええ!?)
心の中で絶叫した。
何でいきなり!?
恐る恐る俺の胸の方を見た、その時。
「あぁあああああああん! ああぁ……うぁあああああああああんっ………」
小春が、大声で泣き始めていた。
………そうか。
今日、俺達に過去の話をして。
父親からの手紙を読み返してみて。
いろんな感情が、抑えられなくなったんだろう。
俺は、そっと小春の頭を、何度も何度も撫でた。
そうだった。
小春を好きになったのは、中2のクラス替えの時の事もあったけど。
いつだったか、小春が例の手紙らしきものを読んでいるところに偶然出くわした俺に向かって、小春が、泣き笑いみたいな顔をしていたとき。
小春の瞳の中に隠されていた複雑な過去を悟ったとき。
――――――――純粋に、こいつを守ってやりたいって、思ったんだった―――――――
俺は、泣き続ける小春の、小さくて弱々しい肩を見ながら、再認識した。
…………。
………こいつを、ずっとずっと、傍で守ってやりたい、と。