HOLIDAY-前編--7
姉貴達は夕方に帰っていった。
「ね、結局、ご飯できてないんだけど。今から作る?食べに出ちゃう?」
美里さんが、苦笑しながら言った。
僕は腕を伸ばして、背中から彼女を抱きしめた。
「僕に決めさせるんですか?忘れてるかもしれないけど、僕、おあずけ食らってますよ?」
僕は耳元で囁きながら耳たぶを甘噛み。
「うふ。じゃあね、外食。でホテルでいいんだよね?」
美里さんは人差し指を立てて振りながら、そう言った。
さすが、よく分かってらっしゃる。
「はい。それでお願いしまス」
僕は彼女にキスしようとした。ら。手のひらで押し返されてしまった。
「ダメ。今そうしたら、きっとお出かけできなくなっちゃうよ?」
…そのとおりでございます。
「ふ。残念」
僕は腕を解いて彼女を放した。
にっこりと笑う美里さんに僕は肩をすくめてみせた。
まあいいや。
最近は近所に遠慮しながらだったのだけど。
彼女のリクエストと解釈してもいいよね。これは。
…思う存分彼女を愛そう。