生徒会へようこそ【MISSION'2'ハムをスターにせよ!】-17
「なーなー香住、お前のクラスの女さ、俺のこと何か言ってなかったか?」
スポーツテスト翌日の放課後、第4多目的室で僕はオッさんに詰め寄られていた。
「何かって…言われても…」
「んー例えば、あの人カッコイイ!とかあの人素敵!とかあの人惚れる!とか」
え〜、言ってないよそんなこと。
あ、そう言えば『猿』とか『笑える』とかは言ってたな。
「えーっと…ですね」
「うんうんっ!」
い、言えない。
そんな期待を込めた瞳で見られたら、とてもじゃないけど言えない。
「あのぉ…」
「『猿』だの『笑える』だのと言われてましたよ」
なぜバラしちゃう宝さん!
「っな……」
「それならいいじゃん、オッ君!あたしのクラスの子なんて『チビ猿今年もはしゃぎ過ぎ』って言ってたんだから!」
小鞠さん、わざとですか?さらりと爆弾発言ですか?
笑顔で言う言葉じゃないですから。
「チビ…猿…」
オッさんがみるみるうちに萎れていく。
生気が抜けていってるのが分かる。
「頭悪過ぎ使えな過ぎウザイ」
それって誰かが言ってましたか?キミさんの個人的意見じゃないですか?
「うぅ………」
今ので、オッさんのHPが1になった。
そして1になったオッさんは最後の力を最大限に爆発させて
「ウガァァァァァッ!!」
暴れる!
「よぉ」
と、同時に扉がガラリと開いた。
オッさんの動きがピタリと止まる。
「おぉ、ハム。お前でも筋肉痛になったりするのか?」
オッさんはいつも一言余計だ。
「うるせー。お前らに礼を言いに来たんだよ、ありがとな」
するとオッさんはニィッと笑って
「ま、生徒会だからな、当たり前だぜ」
と言い放った。