邪愁(その2)-5
「…早く…早く欲しいわ…」
「…奥様が待ち望んだペニスです…」
男が藁の中からつかんだのは、あの卵から生まれたペニスだった。すでに肥大化したペニスは
蛇のように太く長かった。鎌首だけが赤茶けていたが、無数のイボのような突起に覆われた包皮
は、真珠のような艶やかな光沢を放っていたのだ。
その真珠色のペニスは、百個の卵の中から、たったひとつだけ生まれるという。そのペニスは
女の陰部の中で蜜汁に潤されると、火のように熱くなるのだ。
ペニスは、やがて蛇のように蠢き、性器の中をまさぐり、捏ねまわし、溢れだした肉汁を絡める。
蜜汁に反応した真珠色のペニスは、真っ赤に焼いた鉄のような熱をもち、やがて陰部の襞と子宮
を爛れるくらい炙り上げ、焦がすのだ。
私の股間に放されたペニスは、卑猥にくねり、陰部をまさぐり、突き始める。生あたたかい亀頭
を、私は太腿の内側に感じる。やがて、秘裂を引き裂くように頭を少しずつ淫裂にもぐり込ませ、
烈しくペニスの胴体を揺すり、芋虫のように蠕動を繰り返す。
ペニスは私の白い太腿の付け根を裂き、性器の奥へと侵入してくる。
これは、ペニスなのだ…蛇ではない…わたしが欲しかったペニスだわ…
花襞を抉る苦痛とも快感とも言える淫猥な疼きに、私はその潤みきった肉襞を収縮させ、堅くな
り始めた太いペニスをひしひしと喰い緊め、乳房の谷間を波打たせながら、麻薬の恍惚感に深く
浸っていた。
…あっ…あっ…
獰猛な蛇のような堅いペニス先端が、ぬるぬると私の性器の中で雁首をもたげる。
襞肉を内側からほぐしながら肉を削ぐように潜っていく。そのぬめったペニスの先端を空洞の中
に咥えることを望んでいたかのように、私は蜜液を滴らせ、淫襞を妖しく蠢かせていた。
そしてペニスは、ぬるりぬるりと徐々に私の陰部の奥深く、空洞を充たしながら突き上げる。
…いい…いいわ…
私の白い咽喉の奥から、痺楽の快感とも言える嗚咽が迸る。
やがて肉襞の粘膜が熱く吸着度を増し、私は自分でも信じられないほどペニスをしっかり受け入
れ、肉襞は小刻みに痙攣し、急速に収縮しはじめるのだった。ペニスは、私の子宮を突き破り、
臓腑を溶かすほどの熱気を帯びていた。