投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

Crimson in the Darkness
【ファンタジー 恋愛小説】

Crimson in the Darknessの最初へ Crimson in the Darkness 23 Crimson in the Darkness 25 Crimson in the Darknessの最後へ

Crimson in the Darkness -権與-V-4

******



 目を閉じてるはずなのに、外の眩しさが解かる。



 ――――あ?



「!? 何でっ 生きてんだ!?」



 無意識に起き上がると違和感を感じた。―――身体が軽い。



 手で触れてみるも、穴の開いてた筈の脇腹には何の痛みもない。それどころか、傷一つない。自分の身に起きたことが解からなくて、困惑している頭をフル回転させるが答えなんざ出やしねぇ。



「アーク」



 声のした方に視線を向けると、シエルが相変わらずの笑顔で立ってやがった。



「シエル。どういうことだ? あいつは……リーはどうしたっ?」



 部屋の中を見渡しても姿が見えない。ここにいない。どっかに逃げたのか? それとも……捕まった?

あり得ねえ。へんなこと考えたから心臓が痛いくらい締め付けられた。



「順を追って話すから。取りあえず落ち着いて」



 落ち着く? 何をどうやって? 今、知りたいのはリーの事だけだ。



「リーはどうした?」



 ベッドから降りてシエルの元に歩み寄る。すると徐々にシエルの顔が青ざめていく。



「そんな睨まなくても……リーちゃんは隣の部屋に居るよ。…………ちょっ アーク!」



 漸く聞けた言葉に反応するように、オレは自分がいた部屋から飛び出していた。シエルの制止すら耳に届かずに。



 運が良いのか角部屋だったから、“隣”がどっちなのか直ぐに解った。


Crimson in the Darknessの最初へ Crimson in the Darkness 23 Crimson in the Darkness 25 Crimson in the Darknessの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前