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Crimson in the Darkness
【ファンタジー 恋愛小説】

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Crimson in the Darkness -権與-U-5

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「馬鹿じゃないのか!!!」



 様子を見に家に来たシエルに『出て行った』と告げたら、思い切りどやされた。



「うるせえ」

「うるせえじゃない!! 子供一人、放り出したのか!?」

「放り出したんじゃない。出て行ったんだ」

「『出て行く』って言ったから、出て行かせたなんて、お前、オカシイ」



 世間一般じゃ確かにオカシイ。でも、オレは生きてきたぞ、そうやって。



「12歳の子供がどうやって一人で生きていくんだよ? こんな世界で。それはアークが一番よく知ってるんじゃないのか? お前みたいに生き延びれるヤツなんてそんなに居ると思うか!?」

「っ」



 …………クソっ 嫌な事を思い出させてくれる。



「だったら、探しに行けよ! 馬鹿アーク!!」



 胸倉を掴みあげられ、シエルにまた怒鳴られた。



「『馬鹿』言うな。その内帰ってくるだろーが。行くトコ無いんだったら」

「最初会った時『助けて』って言われたんだろ!? なのに、帰ってくると思うのか? ワケありなのは解かってただろ!? 拾うだけ拾っておいて、無責任だ。それなら最初から拾うな。ワケありだろうがなんだろうがこの国の警察機関に連れて行けば良かったんだよ。それ解かってて、追わないんならお前は人として最低だぞ!! お前と同じ物差しで比べるなよ。あの子はそんなに強いのか?」



 腹立たしさとなんだこの意味の解かんないモノは何だよ……。やっぱメンドクセエ、ガキなんて。


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