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Crimson in the Darkness
【ファンタジー 恋愛小説】

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Crimson in the Darkness -権輿-T-1

 カーテンの隙間から差し込む陽射しで目が覚めた。



 最近はずっと忙しかったから、寝床のソファに寝転がると1分持たずに撃沈。昨夜、いや今日の朝方も家に帰ってきたけど、居候がオレのベッドを占領してるのを確認して、ソファに座ったらもう意識は無かった。



 久し振りに柔らかいベッドで寝てぇな、……クソッ。



 何時までの人様のベッドでぬくぬくと毛布に包まって眠ってる赤毛の居候の身体に片脚を思い切り乗せた。





「おいっ クソガキ!!」





 飛び上がって起きると同時にオレの脚が当たったであろう腰を擦りながら、涙目で睨んでくる。





「痛っ!? な、なに!? 蹴った!? 今!!」





 当たり前だ。いつまでもグースカ寝やがって。窓の外、見てみろよな。もう太陽があんなに高く昇ってるじゃねぇか。





「いつまでも寝てるからだろうが。さっさと起きて、メシ作れ。クソガキ」



「ガキ、ガキ言うな!! なんも出来ないオッサンが!!」





 12やそこらのガキに睨まれても、痛くも痒くもねぇんだよ。でも、最後の言葉はいただけないな。





「働かざるもの食うべからずだぞ。オレは稼いできて、お前はオレに養われてんの。チビで何も働けねぇガキに出来ることなんざ、メシ作るくらいだろうが」





 そう言うと一気に情けない顔になって俯いた。



 こいつがオレの前に現れたのは1ヶ月前。ただ、仕事中のオレに『助けて』と泥まみれの姿で縋ってきた。それからこの家に居座って、四六時中家ん中でメシ作って、掃除して、洗濯してる。


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