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Crimson in the Darkness
【ファンタジー 恋愛小説】

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Crimson in the Darkness -権輿-T-8

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 礼拝堂に隣接された教会の一部屋。そこには、もう70やそこらの爺さんが椅子に座ってオレを待っていた。





「アーク、祈りを」



「オレに必要か? 爺さん」





 いつ会っても峻厳(しゅんげん)な態度でオレに命じる爺さんは顔を更に顰めた。





「…………神を信じぬとは畏れ多いことだぞ?」



「ハッ オレは信者じゃねぇ。あんた達が勝手にオレを教会に連れてきたんだろ」





 オレの意志なんて関係ないって言ったのはそっち(教会)だ。なら、オレにそれ以上を求めるなよ。



謙(へりくだ)ることもせず、この島国・日本の正教会最高位の爺さんに吐き捨てるようにオレは返事した。この爺さんにここまで言えるヤツもなかなか居ないらしいけどな。





「…………まあ良い。今宵も勤めを果たせ。新月故、マシではあるだろう。仮にも教会に身を置く以上、それなりの働きをしなくてはな」



「ああ、解かってるよ」





 オレは熱心な信仰者じゃない。食ってくのに必要だから、ここにいるだけだ。



 沈黙がオレと爺さんの間に生まれたから、部屋を出ようと振り返れば、もう一度名前を呼ばれた。何だ、話は終わってなかったのか。





「子供を拾ったらしいな。お前に面倒が見れているのか?」



「…………それなりにな」





面倒なんか見てないけど。好き勝手にやらせてるし、干渉する気もねぇ。


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