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女神
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女神-1

それは、許されないことだった。僕の判断の間違いで、多くの人が被害にあってしま
った。被害は甚大だった。あの薬にそんな盲点があったとは・・・・・

僕は、この国の医療制度、福祉制度を少しでも良いものにしたいと考え厚生省に入省
した。入省後、数年の経験を得て、遅れている数十種類の特効薬の認可を進める特別
作業班の責任者を任された。そして、責任者として最初に認可した一群の薬の中に、
致命的な副作用を持つ薬が含まれていたのだ。けして必要な手順を省いた訳ではなか
った。しかし言い訳はできない。資料を読み返すと確かにその兆候が示されていた。
明らかに僕のミスだった。

新聞が連日のようにそのことを書きたてている。何千人もの人が被害にあっているの
だ。当然のことだった。僕は人々に役立てる仕事をしたかった。しかし、僕がしたこ
とは、多くの人々を不幸にすることだった。僕の最後の仕事となるであろう、国会喚
問の資料をまとめ終えた僕は、正に抜け殻のようになっていた。

もう、ここにいても仕方がない。僕は、いつものように庁舎を出て地下鉄へと歩いて
いった。ホームに立っていた。このまま線路に飛び込めば、静かに眠れるような気が
してきた。

バカなことを考えるな。ここで電車を止めれば皆に迷惑が掛かるのだと、自分に言い聞
かせるのが精一杯だった。いつの間にか電車がホームに止まっていた。僕は、人に押さ
れるままに地下鉄に乗り込んだ。確かに僕のような人間は死んだ方が良いのだろう。し
かし、僕が死ぬことで、更に誰かに迷惑を掛けることだけは避けたかった。そして、只
一人の肉親である妻にもう一度だけ会っておきたかった。

「あなた、遅かったわね?」

「え、遅いって、何時もといっしょだよ?」

「何をおっしゃるの?もう12時よ。」

妻の麻美に言われて時計を見上げるとその通りだった。僕は、3時間以上もどこかを
彷徨っていたようだ。

「麻美、僕は・・・・・」

「あなたの言いたいことなんて、分かっているわ。
どうせ、つまらないことなんだから。
そんなことより、こっちへ来て、私を抱いて。」

「麻美。本当に僕は、う、うわ!」

麻美は僕をソファーに押し倒すと、僕に馬乗りになっていた。

「まったくあなたは、分かってないわ。
頭ばっかり賢くて、大切なことが分かっていない。」

「麻美。本当に僕は、んんん!」

麻美の唇が僕の口を塞ぐ。

「あなたの一番大切なものは何?」
「大切なもの?」
「あなたにとって、一番大切なものは、私よ!」
「ああ、それは・・・・」

確かにそうだった。僕は、麻美と結婚して本当に良かったと思っている。
そして、こんなことになるまで、君が一番大切だと麻美に言い続けてきた。

麻美は僕のズボンを強引に脱がせると、絶妙な舌技で、あっと言う間に僕をその気に
させる。そして、僕に跨ると、そのまま一つに繋がった。


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