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好きなアイツは会長さん!〜金峰学園生徒会議事録1〜
【コメディ 恋愛小説】

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ドSなお方は書記さんだ!〜金峰学園生徒会議事録其の2〜-3

                    (4)
「決めたわ…」
『は?』
「生徒会権限により、妙な活動をしている部活については、今週付けで廃部とするっ!」
『はいストォ――――――――――――――――――ップ!』
全力でストップをかけられてました。
「何よ!変な活動をしてるところに微々たる金額でも部費を下ろすなんて、勿体無いじゃない!」
「でも、何でまたそーゆー決定になるんだよ…」
 夏樹がほぼ呆れたように尋ねると、小春は力いっぱい断言した。
「あたしが会長だからっ!」
『…あ――――――。』
全員で嘆息すると、ここで、千秋さんがふっと微笑んで、こう告げた。
「ハルちゃん、その意見も決して間違ってはいないんだろうけど。廃部決定をするのは、
もう少し、解決方法を模索してからのほうがいいんじゃない?」
「う…」
「そうですね。冬香も、こんな横暴な解決をして、皆さんから余計な反感を買うよりは、
 もう少し、検討するのがいいと思います。」
「う、うん…」
 全員がほっとしたところで、会議に入る。
「で、小春は、どうしようと思ってるんだ?結局のところは。」
俺が尋ねると、小春は腕を組んで、こう答えた。
「あたしとしては、廃部、ってことしか頭に無かったから…」
「それ以外の意見は無かった、と。」
「そういうこと。」
 小春が嘆息しながら他のメンバーにも意見を求める。
「他の意見は無い?」
『ん―――…』
結局、いざ他の意見を探すとなれば、皆押し黙ってしまう。
仕方が無いので、俺はこう提案した。
「こうなったら、残る選択肢は3つだな。」
「?はやた…どういうこと?」
「まず1つ目は――――っつーと、さっき小春が提案した『妙な活動をしてる部は廃部にする』。
2つ目は『嘆願書にあった意見を極力聞く』。3つ目は『現状を押し通す』。
ま、3つ目はちょっとくらい、生徒の反感を買うだろーな。」
 全部の提案をした後、「どうするんだ?」と小春に確認を取る。
小春は未だに決めかねているらしく、「うーん…」といって黙ったきりだった。
                    (5)
 「でも、ちょっとした額でも部費が下りてるんなら、それこそ真面目に活動してないと、部費を下ろしたって無駄になるだけじゃん…」
小春は、そう言ってぷくっとふくれてしまった。…可愛い…と。それはともかく。
俺が何とか説得に回ろうとしたとき、夏樹が「でもさ」と言葉を続けた。
「活動レポートがちゃんとしてないと、部費は削減されてくんだぜ?だったら、このまま現状を押し通しちまっても、―――まぁ、こっからは小春に任せるわ。」
夏樹がどう思ったかは、俺たちでも大体察することができた。
いくらこちらで意見を出しても、最終的にそれをまとめて決定するのは生徒会長。小春。
だから、ここからは、小春自身で考えないといけないのだ。背中を押すのが役目だ、と感じた俺は、
「さっき俺が言った3つの中からどうするか選んでもいいし、どうしても一人じゃ無理、って時は
俺たちにも言えばいい。後は、お前が決めることだぞ。」
 …なんか、物凄くシリアスになったんじゃ、と思いながら、小春に、優しく、だけど、しっかりと意思を持った上で、言った。
小春は「そう…だよね。」と言ってまた押し黙り、5秒、10秒…としばらく考えた末、
「決めたわ」と、さっと顔を上げた。そしてさっきと同じ様に、だけど今度は、全員に向かってはにかみながら、立ち上がってこう告げた。


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