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好きなアイツは会長さん!〜金峰学園生徒会議事録1〜
【コメディ 恋愛小説】

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熱血少女は副会長!〜金峰学園生徒会議事録其の3〜-4

 「いやー、昨日の放送は大好評だったね!」
昼に例の番組の放送があった翌日、生徒会室では小春が満足げに椅子にふんぞり返ってい
た。俺達はその様子を不自然な作り笑いで見守りながら、メンバー達(小春以外)とアイコ
ンタクト会議をしていた。
(おい………昨日のアレ、大好評だったように見えたか?)
(なわけねーだろ……)
(だな。皆、途中で箸止めたっきり、弁当が食えてなかったしな)
(会長さんは、何を持って好評だったと思っているんでしょうか……)
(冬香ちゃん……きっと、ハルちゃん達のクラスでは皆気を遣って、『面白かった』って言
ってあげたのよ)
と、ここまで進んだところで、不意に小春が尋ねてきた。
「私達のクラスで大好評だったのは言うまでも無いんだけど。冬香ちゃんと千秋さんのク
ラスではどうだった?」
 その場に居た全員がフリーズした。
どう答えればいいのか……と固まっていた俺達の目の前で、千秋さんが言った。
「え、ええ。そうね。結構、好評だったわよ」
「ホントですかっ!?」
「ええ。『小中学生の就きたい職業ランキング』の『レビュアー』と同じ位に好まれている
らしいわね。」
「それ、本当に人気と言えるんですか?」
不思議そうにしてはいるが、どうやら信じているらしい。
ほっ、としたのもつかの間。
次の瞬間には、小春が「冬香ちゃんのクラスでは?」と訊いていた。
冬香ちゃんはしばし目を宙に泳がせていたものの、すごく、すごく歪な笑みを浮かべなが
ら、答えていた。
「そ、そうですね。『ドラク○9』における『くさった○体』と同じくらいの人気ぶりでし
たよ」
「それは本当に人気と言えるの!?」
………嘘は言ってない。嘘は。多分。
そして、これは、多分…………。
「それじゃあ、これは第2回もやらないとねー!」
 全員、またまた一斉にフリーズ。
俺達は再びアイコンタクト会議を数秒で済ませ、俺が結論を提示する。
「小春」
「うん、なぁに?」
「こういうのは、もう少し間を空けて………1ヶ月ぐらいおいてリスナー達を焦らしたほうが、確実に盛り上がるぞ?」
「そうなんだー!じゃあ、次回までは少し、間を空けよう!うん、決定っ!」
全員でほっとする。
これで、少なくとも1ヶ月の間は、あの番組の収録はされないということだ。
うんうん。めでたしめでたし―――――

「それじゃあ、次はPRビデオの撮影に取り掛かろう!やっと、機材を借りて来れたの!」

長机の上に再び置かれる機材の数々。
…………………………………………。

『いやぁああああああああああああああああああああああああああああああああああ!』

 蟹座なわけでもないのに、世にも奇妙な悲劇に巻き込まれた、俺達であった。


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