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邪愁
【痴漢/痴女 官能小説】

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邪愁(その1)-3

今も夫は、どこかできっとあの若い女を抱いていることだろう。
いや、きっとあのとき私にしたように、鞭を振り下ろした女の肌を貪るように抱いているのだ。
夫のペニスは、あの女の鞭の条痕に烈しく屹立し、夫はあの女の唇を奪い、可憐な乳房を愛撫し、
青い陰部の匂いを嗅いでいるに違いない。


ふたりの体が絡み合い、ベッドの軋む音が耳鳴りのように残響を繰り返していた。


いつもそうだった…。夫があの女といっしょにいることを考えただけで息苦しかった。耳を塞ぎ
たかった。嫉妬で咽喉元を締めつけられながら、充たされることのない性器の空洞の奥で、蜜汁
が虚しく渇いていった。



…三十五歳の誕生日よ…この日をあなたはもう忘れていると思っていたわ…あなたからのプレゼ
ントが届いたわ…

…いったい、どういうつもりなの…ラビアピアス…わたしがそんなものをほんとうに欲しがって
いると思っているの…夫婦の絆のために、今さら性器にピアスをしろというの…


あなたは若い女と浮気をしている…でも、わたしには、あなたとの絆のために、このラビアピア
スをしろという…まったく自分勝手な人だわ…


…その女が性器にピアスをしたっていうの…あなたとの愛の印にだって…そんな子供だましみた
いなウソを言わないで…ウソじゃないって、どうしてそんなことが言えるの…


…えっ、ええ、聞こえるわよ、あの女の声だわ…耳を塞ぎたいくらい淫乱な女の悶え声だわ…

なんですって…女がつけたラビアピアスをくすぐってやっているって…まだピンク色の秘唇が
綺麗だなんて…よくそんなことをわたしに言えるわね…


若い女の性器がどうだっていうの…あなたが、どれほどわたしの性器から溢れる蜜液を啜り尽く
したか憶えているでしょう…恥ずかしいくらいあなたは舌を突き出し、わたしの陰部の割れ目が
赤く爛れるくらい愛撫したわ…


…そうよね…あなたと腕を組んで街を歩くとき、私の脚や胸元に振り返る男たちの視線…あなた
は私を自慢していたはずだわ…あなたの男友達の羨望のまなざしを前に、あなたは誇らしげに私
の肩を抱いた…

でも、わたしは知っているわ…あなたが男友達に小声で囁いているのを…あのとき、あなたが
囁いていた言葉の意味がわからなかった…チョウキョウ…調教ってどういうことよ…




私の身悶えする息づかいだけが聞こえてくる。私の中で鬱蒼とした密林が拡がり、原色に染まっ
てくる。太陽の光を浴びた私の性器が私を包み込み、ひとりでに呼吸を始める。やがて襲ってく
る微睡みのなかで肉襞が擦れ、灼けた性器がえぐれ始める。


私の頬を湿った指が撫でたとき、私はふと目をあける。男の黒い瞳が私を吸い込むように見つめ
ていた。


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