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コンビニ草紙
【理想の恋愛 恋愛小説】

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コンビニ草紙 第十七話-2

「ごめんごめん。でも姉御肌でさっぱりしてるから、ぽーっとしてる藤本さんと
も上手くやっていけそうな気がするよ。」

「…そうかな。」

まわりには姉御肌なんて思われているのかもしれないけど、彼の前では失敗ばか
りしている。
ただ面白い女だと思われてるんだろう。
とても上手くやっていく自信など持てない。

「あーあ、甘いもの好きって聞いたから頑張ってシュクレドールのシュークリームゲ
ットしたのに…細川さんはすごい喜んでくれたのになー。」

「誰よ、細川さんって。」

「えっ?今度のスイーツ特集で一緒に仕事するスイーツ評論家の細川タクミさん
。最近テレビにも出てるイケメン評論家だよ!リョーコ、知らないの?」

さすがサヤカ。やっぱりモテる女はやることが大胆というかしたたかというか…


「リョーコ、お祭り頑張りなよ。応援する。リョーコの浮いた話聞くの久しぶ
りだし。がんばってね!」

そう言うとサヤカは部長に呼ばれてパタパタと騒がしく去っていった。
サヤカが一方的に話して半ば誤解もあるが、応援すると言われて少し気が楽にな
った。異性関係で友達を失うのはもう懲り懲りだ。
サヤカは外見は可愛いが、中身は案外男らしい。思った事はすぐに口にしてくれるから、こちらとしても一緒にいて気が楽だ。
反面、狙った獲物は逃さないようなしたたかさもあるので、そこは同じ女として見習いたいものだ。

さりげなく想いを言葉に出来れば楽なんだけど…。

仕事中に恋愛の事ばかり考えている自分に気がつき恥ずかしくなる。
お祭りは待ち遠しいが、しっかり仕事もしないといけない。

「…さぁて、しごと仕事。」

独り言を呟きながら私は雪の下祭のページを消して仕事に専念するように頭を切
り替えていった。


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