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生徒会へようこそ
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生徒会へようこそ【MISSION'1'自己紹介を円滑に遂行せよ!】-7

しんとした室内に『オツ』って人の声が響いた。

「香住、追えよ」

「い…いやです…」

このまま宝さんは生徒会に入るんだ。
宝さんの想い、僕が守るんだ。

「俺の自己紹介はまだ終わってねぇんだよぉぉ!仲間に俺のこと知って欲しいじゃんよぉぉ!」

寂しがりなのかな、この人…。

「でも、いや…です。宝さんはほんとの生徒会に入るんです」

『オツ』って人はガシガシと頭を掻くと、机の上に乗って僕の目の前に屈んだ。
真面目な顔をしている。

「ウチには、あいつが必要なんだ」

え?

「そんでお前も!」

僕も?

「どういう、ことですか?」

「毎週月曜日に『なーぜーか』遅刻してくる男と自我が強すぎて孤立している女」

たぶんこれは僕達のことだろう。

「ナベが…あ、渡邊 夏樹がな、こいつらがウチに入ったらウチはもっと活動できんじゃないかってな、教えてくれたんだ」

僕らはたまたま選ばれたんじゃなかったんだ…。

「あの、活動って何をするんですか…?」

「生徒のために学校を管理するのが生徒会なら、生徒のために直接生徒に働きかけるのが生徒委員会だ!」

直接、生徒のために、僕達が…。

「俺は、みんなと触れ合えて、同じ目線でいられるこの委員会を誇りに思う!生徒会なんかよりもずっとずっと必要な機関だと思う!」

『オツ』って人の声が荒く、大きくなっていく。比例して気持ちも高ぶっているのが僕にも伝わってくる。
それに触発されて、僕の心臓もドクンドクンと強く響き始めているのにも気付いていた。

「お前も宝も、もう俺たちの仲間なんだ!俺たちに必要な存在なんだ!」

僕が必要とされてる。
初めて、他人に必要とされた。
僕たちの変わりはいない。

「俺たちは!絶対ぇ!仲間を裏切らねぇ!だから!!」

ガシッと肩を掴まれた。
そのまま立たされる。
ちっちゃい体でよくもまぁこんな強い力が出てくるもんだ。
バクンバクンと僕の心臓が跳ね上がって、一際大きく鳴った。

「てめぇは宝を追えぇっ!!」

僕は思った。
この委員会、すっげー格好いい。

「はいっ!!」

僕は大きく頷くと駆け出した。
後ろから

「失敗したらてめぇも生徒委員会クビだからなぁ!」

と聞こえる。
それは困る。せっかく回避出来たはずの停学が、確定してしまう。
ていうか

「矛盾してんじゃんかぁ…」

裏切らないっ言ったよね!?
小さく呟きながらも、僕は校舎内を走り回った。


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