春の戯れ-2
「そんなの気にしないでいいから、着てみせて?その方が嬉しい」
「うん、ありがとう」
でもお礼はにっこりと。
だって嬉しいのは事実なんだし気にしたって仕方ないことだもの。
リビングで手渡された包装紙の中身は、着替えが必要だからと、寝室で着替えるのを勧められて、ウキウキした足取りで袋の中身に思いを馳せる。
「着たら教えて?」
「わかったー」
「電気は楽しみにして欲しいから付けないでね。あ、あと服洗濯機入れとくから渡して」
「ありがと〜」
どうせ着替えるだけだから、と鶯も待ってることだし、暗がりの中がさごそ服を脱ぎ捨てて、下着だけになれば、まとめて着ていた服を扉の向こうへ手渡す。
新しくプレゼントされた服があって、脱いだのは洗濯機へ持っていってもらえて、至れり尽くせり〜。
軽い心地にワンピースかな、なーんてうきうきしながら、暗くてよくわからない袋の中を見れば、………キャミソール?
と、ブラ…に……ショーツ……下着?……したぎ?
あれ?……服は?
いやいや、確かにハルは着るものとしか言ってないけど…あまりに予想外で、……え、…えぇ〜っ…
どんな顔して買ったのよ……なんて、こっちがヒヤヒヤするじゃない!
ご丁寧に――色はわからないけれど肌触りやデザインからして――セットになっているらしい…。
一体どこで買ったのよ…あの子……。
ひらひらふりふりの下着売り場で?
女だらけの店で男一人?
一枚一枚手にとって選ぶわけ?
しかもあのラッピングを頼むわけ?
……居合わせただろう女性たちに合掌。