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教師の情事
【教師 官能小説】

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教師の情事(2)-4

Qマンションの下には救急隊や警官などが慌ただしくしていた。
「あ、篠原先生!こっちです!」
声を掛けてきたのは守屋だった。隣には畑中もいた。どうやら今来たばかりらしい。
「それで、どうなんですか?」
「今警察が必死に説得に当たっていますが篠崎は聞こうともしないんですよ。
何があったのです?いじめですか?」
「彼女はいじめられてはいないはずです。確かに親しい友人もいませんが、ただ・・・。」
「ただ何です?」
「彼女、中学時代に教師から酷い体罰を受けていた可能性が高いんです。」
佐和子、畑中、守屋は現場担当の警察幹部に説得したいと申し出た。
「うーん。でも先生方が来たらかえって相手を刺激してしまう可能性が高いのですが。」
佐和子は必死に食い下がる。
「彼女を説得できるのは私たちしかいません。彼女に何があったのかを聞きたいのです。」
「まぁ・・・そこまで言うのなら通します。」
沙希を追い込んだ人間を許せない・・・佐和子は心底沙希を追い込んだ人物を呪った。
三人は警官に誘導されてエレベーターで屋上まで行く。
屋上を見ると沙希が手すりに捕まって今にも飛び降りようとしていた。
これを見た時佐和子はホッとした。まだ沙希の心の中には生きる意志があると思ったからだ。
「篠崎さん、篠原よ。先生よ。どうしたの?教えてちょうだい。」
「来ないで!」
「どうしたの?何かあったの?相談に乗るから教えて。」
「先生に言ったってわからない・・・。そうでしょう。中学の頃に私がどんな目にあったかを!」
「何があったの?先生が相談に乗るわ。先生は貴方の味方よ。」
「私が中学で何されたか知ってるの?先生を見る目が悪かったからって
全校集会で晒し者にされたり、職員室でシンナーとか持っていないかとか言われて
下着だけにさせられたりしたわ!」
佐和子はそれを聞いて驚き、言葉を失った。そんな事が実際に行われていたとは・・・。
「私は・・・先生はそんな事はしない!この学校にはそんな事をする人はいないわ!
だから安心して。私たちを信じて!」
「信じられないよ!先生なんて、学校なんて信じられない!」
「俺はそんな事はしない!その先生がいたら話をつけてやる!」
畑中が乗り出した。
「私は・・・この事を教育庁に報告します。私は篠崎さんを信じる!」
守屋も強く訴えた。
沙希に動揺が走った。ここまで必死に訴えてくれる人がいたとは・・・。
その瞬間沙希はつい手すりから手を離してしまった。
「危ない!!」
佐和子、畑中、守屋、そして警官と救急隊が走り出した。
みんなが沙希の手を掴んでいた。

沙希は気絶していたのだろうか。目を開けるとそこには佐和子、畑中、守屋がいた。
「よかった。目を覚ましたのね。」
「先生・・・ごめんなさい・・・。」
沙希の目から涙がポロポロ流れた。
「あなたが中学で受けた酷い体罰は先生が必ずけりをつけるから
しばらく学校を休みなさい。お父さんとお母さんには電話してこっちに来てくれるから。
大丈夫よ。叱ったりしないわ。」
沙希は無言で涙を流しながら何度もうなづいた。
病室から出ると沙希の両親が病室に駆けつけてきた。
畑中と佐和子、守屋は状況を説明するとそのまま沙希の両親と別れて出口まで歩いた。
この事件では守屋は校長に報告して教育庁に訴えるという。
畑中と佐和子は駐車場まで無言で歩いた。最初に言ったのは畑中だった。


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