恋してくれますか-7
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閉じたまぶたの上に、明るく澄んだ空気を感じる。
心地好いまどろみの中で、風が私の頬をさらさらと流れていくのが分かった。
まだぼやけた意識で薄く目を開けると、白い景色が私の周りを覆っていた。
…保健、室?
閉じられた白の向こうに人の気配がして、私は緩く目を閉じる。
シャッ、とカーテンを引く音がした後、おでこに誰かの温度を感じた。
「…回復の早い奴。」
あ、先生だ…。
いつもと同じ呆れ声でつぶやいた先生の音色で、私はつい笑ってしまいそうになる。
でも、まだ眠いなぁ。
もうちょっと、寝てたいよ…。
私はそのまま寝たふりをして、気持ち良い呼吸を繰り返す。
---チュッ
………え?
耳の上に触れる温度。
頭を優しく撫でる手の感触。
音。
…………えぇー?
再びカーテンを引く音がするのと同時に、私はぱっと目を開いた。
…な、なに、なになに?
眠気はすっかり覚めて、せわしなくまばたきをする。