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いけないあそび
【同性愛♂ 官能小説】

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いけないあそび-7

「今度は俺の番。しゃぶってよ」
志久野のものを見て、灰田はぎくりとした。浅黒い色をしたそれは、灰田のものよりも大きい。
一瞬躊躇ったが、彼は恐る恐る上体を僅かに起こすと舌を伸ばした。
他人の一物を舐めるなど、普段の灰田には想像もつかないことだった。何と言われても拒否していただろう。しかし一回男にイかされたということが、彼の理性のたがを外したようだった。
「はは、かーわいい……ん……初めてにしては上出来じゃん。もーちょい咥えて欲しいけど……まだ、無理かな」
志久野が喘ぎながら灰田の髪をくしゃりと撫で、腰を振るう。
灰田自身ももうわけも分からないままに志久野の一物を舐めしゃぶり、無意識的に空いた手で己のものを扱いていた。
その手が止まったのは、志久野の指が肛門に伸びたからだった。
唇を離し、口の端から流れる唾液もそのまま灰田は首を横に振る。
「おい……っ」
「挿れないよ。弄ってるだけだ」
「あっ」
中指で円を描くように撫で回され、灰田は思わず腰を浮かせた。
濡れた志久野の指がそこを刺激すると、何だか変な気分になってくる。
「結構……んっ、乗り気じゃん……」
「シ……クヤ……!」
止めろと声を張り上げようとしたが、顎がだるくて上手く喋れない。
否、それ以上に志久野の指を受け入れようとしている自分がいた。
危うい、と感じた。
一度味をしめてしまったら、もう戻ることなんて出来ないだろう。きっとこの快楽に溺れていくしかない。
それでも灰田は志久野のものを咥えてなされるがままに首を振り、彼に身体を預けていた。


――本当に、それで終わりだった。
あの後汚れたマットと制服の後処理をして、お互い黙って別れた。
灰田は自分の行動に言いようのない嫌悪と敗北を感じていたが、その夜、脳裏にこびりついて離れない、志久野の表情と感触を思い出して自らを慰めた。
彼に会いたくないと思いながらも、単位のため学校へ向かう。その灰田を迎えるのは、いつもと変わらない志久野の姿だった。
いつもと同じ――その関係は、灰田が志久野と上級生との痴態を目撃した以前のもののようだった。
「プリント早く取って」
「えっ、あ……ああ」
授業も一通り終わり、ホームルーム。
ぼんやりしていた灰田に、志久野が声をかけた。
彼は前を向いたままで、プリントの束を受け取るように灰田に促す。
灰田はプリントを受取り、志久野の背を眺めた。
ともすれば夢と思えるくらい、何もなかったかのように振舞う。
休み時間、昼休み、志久野は灰田に構うことなくふらりと教室から消えていた。そんな彼をつい目で追ってしまう自分が厭になる。本来であれば灰田にとっては好ましいことだが、どうしてもあの時のことが頭にちらついた。
(冗談だろ。もう一度……もう一度あいつとキスしたいと思うなんて)
自分だけがこんなにやきもきしているようで、少し腹が立った。
「………」
そんな今日一日の志久野の様子を思い出し、灰田は小さく首を横に振ってプリントを一枚取ると、後ろの席の生徒へと手渡した。


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