双子の姉妹。 5-1
「……朝か」
目覚ましが鳴るより先に起きるのなんて久しぶりだ。
やはり昨日のことが尾を引いているのだろう。
香織が俺の家にいるときに、琴音が来た。
結局、琴音はおかずを渡すとすぐに帰ったが、その後は俺たちも何事もなかったかのように買い出しに行き、家で香織に料理を振る舞ってもらった。
もちろん香織の料理は美味しかったと思うのだけど、味はもうはっきりとは思い出せなかった。
俺は追憶もそこそこに、もぞもぞと起き上がると、琴音の持ってきてくれたおかずを電子レンジに入れた。
別にやましいことなんてないのだけど、麻琴に続いて琴音にも誤解される原因を作ってしまったな…
ため息を吐きながらうなだれる自分の姿が、電子レンジに映っていた。