投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

双子の姉妹。
【その他 恋愛小説】

双子の姉妹。の最初へ 双子の姉妹。 29 双子の姉妹。 31 双子の姉妹。の最後へ

双子の姉妹。 5-2

***

前回のトラブルに続いて、今回も不運なことに今日の勉強は琴音だった。

やはりどうしても顔が合わせにくい。

受験までもう間がないし、家庭教師である俺が悪い影響を与えてどうするんだ。

それに怒っていたら嫌だなぁ。


「こんばんは…」
小さな声で挨拶しながらゆっくりと玄関の扉を開けると、すぐにバタバタとこちらに向かってくる足音がする。

「あ、せんせ!ごめん、着替えるから5分待って部屋に来て!」

制服姿の琴音だった。

今日は帰りが遅かったのだろうか。
というか、琴音のやつ、いつも通りだったな…
麻琴のときとはえらい違いだ。

とりあえずリビングに入ると、麻琴がいた。
「よう」
「俊哉」
「……受験勉強はやってるか?」
「えーやってるよー」
ソファーに横になって携帯のキーを忙しなく叩いている麻琴。

麻琴が俺に黙って勉強を頑張っていることは以前知った。
でも、そろそろ志望校を聞いて対策を考えないと、取り返しのつかないことになる場合だってある。

しばらく考えた後、切り出すことにした。

「麻琴はどこ受けるんだ?」
「え、どこでもいいじゃん」
まあ予想通りの返事だ。
「よくねーよ。もう時間無いんだぞ。俺に協力させろよ」
「大丈夫よ。俊哉は琴音の勉強だけに専念すれば?」
「俺はお前の家庭教師なんだぞ。無事に大学合格まで導くのが俺の役目だ」
「…あたしは琴音と違って受験勉強は俊哉に見てもらってないじゃん」
「今までそうだからって言っても、受験だぞ?受かりたくないのか?」
「そうだけど、まだ今はあたし一人でやれるから」
まったく…麻琴は本当に頑固だ…
「じゃあ次の模試の結果、それが合格ラインに届かなかったら、観念するんだ」
本当はそれでも遅すぎる。
ただ、やはり麻琴が一人で頑張ろうとしているのを絶対に否定はしない。
「…わかったわよ」

麻琴はそう言うと、ふてくされながら寝返りをうった。

「おい麻琴」
「なに」
「パンツ見えるぞ」
「ばっかじゃないの!!」


双子の姉妹。の最初へ 双子の姉妹。 29 双子の姉妹。 31 双子の姉妹。の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前