地獄に殴りこみ 〜5〜-1
どだだだーー!!
来たよ、来やがったよ。せっかくここ数日は静かだったのに。
「ねね、恭くん恭くん!!」
「断る」
「・・・まだ何も言ってないんだけど」
「どうせまた下らんことだろ?めんどいからパスだ」
「なんでよ〜?せっかく天国に連れてってあげようと思ったのに」
・・・天国か。まぁいっぺん見たいとは思ってたけど。ふむ、どうするかな。
「どんくらいかかるんだ?」
「すぐだよ、すぐ!」
「・・・しゃーねぇ、どうせ暇だし行くか」
〜意外な出会い〜
今、俺は四人で天国に行くためのエレベーターに乗っている。もう一度言うがエレベーターに乗っている。たしかにすぐだとは思うが・・・こんなんでいいのか、おい。地獄と天国繋ぐのがエレベーターって
「天国に来たはいいけどさ、なんでレイミーとリックもいるの?」
「だって恭一くんが行くんだし。」
「俺は仕事だ。」
嘘付け。どうせフェイが行くから来たんだろ?
「ち、違う!!」
わかりやすいやつだ。
「あ、もうすぐ着くよ」
ひゅぅぅぅん・・・チン
「・・・綺麗というか、白いな。あたり一面雪景色みたいだな」
扉が開くと一面真っ白の世界だった。といっても所々に木や家があり、精神が狂いそうなただ真っ白なだけということはない。
「まぁ、天国だしね。」
「そんなもんか?・・・ん、あれ?」
「どうしたの?」
「いや、あれ・・・たぶん」
「どうしたの?」
「なぁ、おい。賢治か?」
『んあ?・・・誰?』
「賢治だろ?俺だよ、恭一。」
『俺は賢治だけど、・・・誰?』
「恭くん恭くん、知り合い?」
「いや、そのはずなんだけど。」
「ほら、恭くん、記憶処理してるって言ったでしょ。だから恭くんのこと覚えてないのよ。」
「そうなのか?」
「うん。でもまだこの段階では完全に消してるわけじゃないからすぐ思い出すよ。」
『ん?あれ・・・恭一!?』
「ほらね。」
「やっぱ、賢治か。どうしてこんなところにいるんだよ?」
『いや、チャリでよ、両手離し運転の練習してたんだよ。そしたら横から車が来てさ、気づいたらここにいたんだよ。ここどこだ?』
「・・・馬鹿かお前」
『なぁ、恭一がいるってことは俺死んだのか?』
「まぁ、そうだろうな」
「・・・マジかよ」
「・・・な、なぁ。俺が死んでさ、何かあったか?」
『ああ、それがさ、何でか知らないんだが、誰かが馬鹿な死に方をしたってことは覚えてるんだけどよ、誰だったか全然覚えてねえんだよ。お前には悪いが今会うまでお前のことすら忘れてたんだ。』
「フェイ」
「うん。恭くんの周りの人の作業は大体終わったから」
「そっか、なんだかんだでお前頑張ってたんだな」
「えっへん。褒めて褒めて」
「黙れ、調子に乗るな。・・・そうだ。賢治、お前さ、週刊誌で俺のことを不幸だのあんな死に方で満足してるだの言ったやつのこと知らねえか?」
『ああ、それは俺だ』
「てめえぇぇー、体ばらしてジグソーパズルにすっぞごらぁぁーー!!」
『ひぎゃあああーーー・・・』