双子の姉妹。 4-6
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一時間ほど作業をすると、すっかり部屋は綺麗になった。
「ありがとな、掃除機までかけてくれて」
「いえいえ」
「時間もちょうどいいし飯でも行こうぜ、奢るよ」
「ありがと、でもどうせならここでご飯作るよ」
「え、いいって別に、そんなの面倒だろ」
「いいの!せっかく来たんだからばっちりやって帰りたいの!」
香織のやつ、どういうつもりなんだ?
見たところ折れるつもりはないらしい。
「でも、うちには材料ないし」
「じゃあ近くにスーパーあるし、一緒に買いに行こう」
「お、おう」
やはり無理やり引き留めるのも悪い気がして、仕方なく了解することにした。
「じゃあほら、早速行こう」
「ん」
そう言って二人して玄関まで行くと、ゆっくりとドアを開けた。
「……」
「……」
「……」
しかし、目の前には一人の少女がチャイムを押そうとする状態で立っていた。
「……琴音」
「あ…これ…お母さんがおかず作りすぎたから…せんせに持っていくように言われたんだけど…」
「あ…ああ、さんきゅ」
今までに何度もこうやって姉妹のどちらかがおかずを持ってきてくれることはあった。
でもよりによってなんでこのタイミングで…