双子の姉妹。 4-2
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「……それでここの問題は……こう解くんだよ」
「…うん」
「うーん、なんか琴音らしくないな、ちょっとした凡ミスが多い」
今日は琴音の日なので、答案を使って反省会をしているのだが、琴音はやはりなにかおかしい。
「琴音、体調でも悪いか?」
「……え?」
「それともなにか悩み事か?」
そう言うと、琴音は突然俺のほうを向いて俯いた。
「うん…あたしね…実は…せんせのことが好きなの」
「はぁ!?」
突然の告白に変な声で返してしまう。
「……」
どうすればいいんだ…琴音はずっと俯いてるし…
俺はなんて言ってやればいいんだ?
ありがとうじゃなんかあれだし…俺もって言いたいところだけど琴音を恋愛感情で見たことないし…あ、でも二人との恋愛は無理じゃないって琴音の前で言っちゃったし…
「琴音…」
「なぁーんちゃって!冗談だよー!」
琴音はいつものように明るく笑った。
「はぁ!?」
「あはは!びっくりした?」
琴音のやつ、驚かせようとしたのかよ。
ちょっとドキドキしてしまったじゃんか。
「せんせ、ごめんね、いつも勉強教えてくれるのに成績落としちゃって」
頭をかいて苦笑いする琴音。
「なに言ってんだよ琴音、俺が琴音は勝手になんでもできると甘い考えを持ってたのもあるから。一緒にたくさん反省して苦手を減らしていこうな!」
「うん!来月の模試は絶対いい点とって、せんせにほめてもらう!」
「その意気だ」
「うん!」
「よし。さて…次は…」
「………ずるいよ、せんせ」
琴音がボソッと何かを言ったように感じたが、よく聞き取れなかった。