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双子の姉妹。
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双子の姉妹。 4-1

「俊哉!!早くきて!早く早く!!」

今日も家庭教師で櫛森家へ。

しかし、玄関のドアを開けていつもの挨拶である、こんばんは、を言う前にリビングから麻琴が飛び出してきた。

「どうしたんだよ」
「いいから!」
腕を引っ張られてリビングへ。
麻琴がこんなに騒いでいる姿も珍しい。

「おばさん、琴音、こんばんは」
「俊哉くん、こんばんは」
「…せんせ、こんばんは」
「俊哉!挨拶なんかいいからここに座る!」
ソファーに無理やり座らされる。
「本当にどうしたんだよ」
「見てよ!じゃーん!」
麻琴が見せてきたのは、先日の定期試験の成績表だった。
それを受け取って目を通していく。
「…おおっ!麻琴、やったな!」
麻琴の成績は、なんと初めて学年100位以内に入っていた。
特に数学は、クラスでも10位以内に。
あの努力を目の当たりにして、多少成績が上がることは予想していたが、この成績は本当にすごい。
「やったな!麻琴!」
そりゃあ麻琴が騒ぐのも無理はないだろう。俺も嬉しくなって騒いでしまう。
「俊哉のおかげね!」
「いや麻琴、お前が頑張ったからだよ!」
いつもなんとなく冷めている麻琴が、こんなに笑顔を見せるのなんて初めてかもしれない。

本当によかった。

「…そうだ、琴音はどうだったんだ?」
「…あ、うん」
琴音も俺に成績表を渡した。
「…ん?」
順に見ていくと、違和感を感じた。
「琴音、どうしたんだ?ちょっと成績下がったな…」
反対に、何故か琴音は全体的に成績を落とし、順位も今までで一番悪かった。
「でもまあ、ちょっと落ちてもこの成績なら問題ない。琴音も頑張ったな」
「……うん」
琴音はいつものように明るくなかった。
成績が下がったこととなにか関係があるのだろうか。
まあ、あとで訊いてみよう。
「そうだ麻琴、いくら今回よかったからって、この成績をずっとキープしなきゃだめなんだからな」
「う…でも頑張るわ」
「おう、また一緒に頑張ろう」
「うん!」
「……」


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