彼女は彼女の彼女-4
「五限はどうせ保体だし。サボって、エッチしよ」
「あた、しは平気だけどっ……汐見は……っ」
「先生には保健室で休んでたって言っておくし、それに」
小百合は微笑み、チカのブラを押し上げて乳頭をぺろりとひと舐めした。
「保体の実技と思えばじゃない? 女の子同士だけど」
「はぁんっ! ば、ばかぁ……っ!」
言うチカの乳頭を甘噛みし、口に含んで転がす小百合。
チカの嬌声が大きくなる。
「だ、めっ……汐見っ……イ、イクっ……あ、ああっ、あああっ!」
身体をしならせ、小百合の指で達したチカは荒く息を吐いた。
小百合はチカのひくつく膣から指を引き抜き、愛液に濡れた様子を見せて言う。
「あーあ、ひっどい濡れ方」
「……っ」
泣き出しそうな表情は、小百合の嗜虐心を煽った。
彼女はチカを抱き寄せて耳元でそっと囁く。
「これは、お仕置きが必要かな?」
甘い声がチカの脳を揺さぶる。
放課後を、そして小百合からの"お仕置き"を期待している自分に、チカは気付いていた。
「――汐見。てめぇ、分かってるよな」
その日の放課後。鞄を片手に小百合を睨みつけるチカの姿を見て、級友達は肩を竦めた。
まーた汐見の奴、チカを怒らせてるみたい。チカがあんなに呼出しかけるなんて相当怒ってるんじゃない。汐見も何やらかしたんだか。
聞こえるような大きさでの内緒話ともいえない内緒話は、当然チカの耳にも小百合の耳にも入ってくる。彼女達のそんな勘違いは、小百合には悪いがある意味チカにとってはありがたかった。
チカの言葉に小百合は荷物をまとめ、教室の入り口に佇むチカの元までおどおどとした様子で歩いて行く。
そしてチカの前を通り過ぎる時、彼女にだけ聞こえるような声で言った。
「分かってるよ、チカ」
言う小百合はぺろりと唇を舐め、妖しく目を細めた。
「たっぷり可愛がってあげるからね」
それだけで背筋を駆け抜ける快感。下着が再び濡れていく。
小百合の笑みや言葉、仕草はチカの身体を心を完全に支配するのだった。
肉体的、精神的な充足感は単に相手が女だからなのか、それとも小百合だからなのか。
チカ自身あまり考えないようにしていたことであったが、それはおそらく――。