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寒い夜の拾い物…
【OL/お姉さん 官能小説】

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寒い夜の拾い物…最終章-3

 次の日、健司が起きて洗面所に行くと夏美が顔を洗っていた。
「あれっ?美樹さんは?」
 健司が聞くと夏美は
「あぁ、さっき帰った、やっぱり祐美ちゃんが心配だったみたい…」
 そう言って自分の部屋に戻っていった。
 洗面を終えて部屋に戻り、昨日の事を考えていると
「健司、ちょっといい?」
と夏美が部屋に入ってきた。
「あぁ、何?」
「…昨日さぁ、美樹に聞いたんだけど…、あの子、離婚するみたいよ」
「ええっ?嘘?…何で?」
「本当、もう今、祐美ちゃん連れて実家にいるらしいよ、昨日も祐美ちゃん実家の親に預けて家に来たって言ってたし」
「ええっ?…俺、何にも聞いて無いよ…」
「当たり前でしょ、何で美樹が私より先にあんたに言うのよ」
「あっ、いや、そりゃそうか…ハハハハ…」
「あんた大丈夫?それよりそんな訳だから今度美樹が来ても旦那さん元気ですかとか聞かないでよ」
「うっ、うん…気をつけるよ…」
 話しが終わると夏美は自分の部屋に戻っていった。
(…嘘だろ、美樹さん、この前会った時そんな事一言も言わなかったし、そんな素振りも全くなかったのに…)
 健司は居ても立ってもいられなくなり急いで服を着替え外に出ると、携帯で美樹に電話した。
「もしもし、健司君?」
「あっ、あの…美樹さん…」
「どうしたの?…もしかして夏美から聞いちゃった?」
「…はい、…あの」
「ねぇ健司君、今から会える?私まだ家に着いてないから、いつもの喫茶店で待ってるね…」
 電話を切り健司は待ち合わせの喫茶店まで走った。
 喫茶店に着くと、すでに美樹は店の中でコーヒーを飲んでいた。
 店の中に入ると美樹はすぐに気付いて健司に手を振り
「おはよう、健司君」
と何事も無かったように微笑んだ。
「美樹さん…」
 健司が喋ろうとすると
「待って、静かな所で話そうよ、ねっ」
 二人は喫茶店を出た。
 そしていつものホテルに入り、部屋に着くとソファーに並んで座り美樹は
「こんな早い時間に来るの初めてだね」
と呑気に笑った。
 健司は思わず強い口調で
「美樹さん、離婚するって本当なの?何で俺に何も言ってくれなかったの?もしかして俺のせい?祐美ちゃんはどうするの?」
と聞いてしまった。
 「ちょ、ちょっと待って、そんなに一度に沢山聞かないで…」
と美樹は慌てて言った。
 そしてフゥと一息つくと
「離婚するのは本当だよ、別に健司君のせいじゃ無いよ、…ほら、前に話したでしょ、上手くいってないって…、それでよく話し合ったの、このままじゃお互いに良く無いからって、向こうの両親ともちゃんと話し合ったんだけど、義母さんなんか彼の味方して一方的に私が悪いって、祐美が彼になつかないのだって私の育て方が悪いとか言うのよ、それで私もう駄目だなって思って…」
 そこまで言うと美樹の目からは涙が溢れ出した。
「ごめん、美樹さん、辛いのに…俺驚いたから、無理に聞いちゃって」
 健司は出来るだけ優しく美樹を抱きしめた。
 美樹は涙を拭いて微笑むと
「いいの…いつか健司君にもちゃんと話そうと思ってたから…、もう、健司君には私から話そうと思ってたのに…夏美ったらお喋りね」
と言ってわざとプウッと頬を膨らませた。
 美樹が少し落ち着いたようなので健司は安心した。


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