キミはマジメでインランアクマ-2
だが実際やりにくい、と彼は思う。
的場のような体育会系教師相手なら、反省文の用紙をくしゃくしゃに丸めて投げつけてやればいい。
それで殴られたって、痣がひとつ増えるだけだ。
しかし今自分が目の前にしているのは、見た目からしてマジメで気弱な少女だ。不良とはいえ、喧嘩を売ってくるわけでもない相手には暴力は振るえないし、無碍にだってしない。
だから極端に突っぱねることもできず、矢倉は苛立っていた。
「びびってなんか……いません」
顎を掴まれたまま、眞弓は言った。
「これでもか?」
矢倉はそう言って、左手を眞弓の足に伸ばす。
「大体、こんな遅い時間まで男と二人きりってのは、お前も覚悟してんだろ?」
無論、これはハッタリだ。
もっとも実際に外は真っ暗で、校内にはおそらく他の生徒などいない。
眞弓は困ったような表情を浮かべていた。
「覚悟?」
「こういう覚悟だよ」
他の女子生徒と比べて幾分か長いスカートを捲り、太腿に直に触れた――瞬間。
「ぁんっ!」
眞弓の唇から甲高い声が漏れた。同時に彼女の身体が大きく跳ねる。
その反応に、矢倉の方が面食らった。腿に這わせた左手はそのままに、思わず彼女の顎を掴んでいた右手を離す。
「え……」
「………」
顔を真っ赤にして俯く眞弓。戸惑いながらも、矢倉は手を引こうと左手を動かした。
「んっ」
再びびくりと身体が強張る。
「……眞弓」
手を引かず、矢倉は更に眞弓の腿に手を這わせて行った。
その度に彼女は身を捩らせ、熱く吐息を漏らす。
「お前、感じてんの?」
「だ……って」
(だってと言われても)
触っているのは足のみだ。
それにもかかわらず、こんなに敏感に反応している。足だけでなく、胸や秘所に触れたならどれほど乱れるだろう。矢倉の好奇心が疼いた。
「! ダメ……だよ……」
抵抗するにはあまりにも弱い言葉。
「期待してんじゃねぇの」
返答はない。ただ俯いて黙りこむ眞弓の顎に、矢倉は再び手をやった。
躊躇いは、ほんの一瞬。
矢倉は彼女の唇に自分のそれを重ねる。
(やべ……ハッタリのつもりだったけど)
止められない――背筋がぞくりと震えた。
一旦唇を離してからもう一度、今度は食むようにして。
濡れた音をわざと立てて、口内を舐め回す。
眞弓の戸惑う舌を捉えて吸ってやる。
「ん……はっ、ん……」
喘ぎ交じりの吐息を聴きながら、スカートの下に手を伸ばした。
「!」
そこに手を這わせ、矢倉は驚いたように眞弓を見やり、それからにやりと笑った。
彼女は顔を真っ赤にして矢倉から視線を逸らす。
「すっげぇ濡れてんなぁ、眞弓?」
「や……嫌……」
ただ触れただけで愛液が絡みついてくる。下着はその役目などとうに果たしていない。
(マジメで大人しそうな顔して、ヤることヤッてんな)
スカートをたくし上げ、矢倉は一気にショーツを腿まで下ろす。
「や、ダメ……っ!」
「こんなに濡らしておいて、よく言うぜ」
そして指を秘所の中へと滑り込ませた。