ヒー+ライク=ラブ?-2
「後藤…何でおまえそんな格好…」
後藤は顔を隠していた手を外し、真剣な表情で…「…偶然だ…」と呟いた。
「んなわけあるか! 偶然でどうやってスカート履いてるんだよ!」
後藤は「うぐぐっ」と言いながあとずさった。
「これはスカートではない」「あっ?」
晋は後藤がスカートじゃないと言った物を指差す。「これがスカートじゃなかったら何がブルマなんだ?」
「何言ってんだ晋? 頭でもぶっ壊れたか?」
「…今現在のお前の格好で言える言葉じゃないがな…っうか…何で俺の家の前に入るわけ?」
晋にそう言われると、何故か後藤の頬は赤い林檎の様な赤に染まった。
「お前…もしかして俺の事…」
後藤は首を左右にブンブン振る。どうやら否定しているようだ。
「じゃあ何で俺の家の前にいるんだ?」
フーッと大きく息を吐いて後藤は喋り始めた。
「たまたま電柱があったから、たまたま隠れてみただけだ」
「……そうか」
後藤は「じゃ、俺帰るわ」っと行ってダッシュで何処かへ行ってしまった。
「何だあいつ?」
「うふ…うふふ」
ここは、後藤の自室。後藤の部屋は勉強机とコタツしかなく殺風景だが、一つだけ異端な所がある。
「あぁ…なんて格好いいんだ」
彼の部屋の壁には…
「誠二」
誠二の写真で壁が見えないほどになっていた。正面誠二、左斜め誠二、右斜め誠二、真横誠二、等が軒を連ねている。
「晋の奴、本当に邪魔だな…次は髪でも封筒の中に入れて送るか」
後藤は誠二の写真にキスをし、一言呟いた。
「竹川雪名…いつか誠二を寝取ってやる」
嗚呼…彼の恋路に栄光あれ。
fin?