鬼-3
「もう大丈夫だよ?お兄さんが助けてあげるよ」
「…アァ…ヒッ」
いじめの辛さはよく知っている。体に染み込んでる。
僕はトモキ君を悪魔から守ったんだ。
「ん?どうしたの?助けてあげるよ。こっちにおいで」
僕はトモキ君に手を差し伸べた。
それなのに。
「…くっ、くるなあぁぁっ!!オニィーッ!!」
トモキ君は僕から逃げ出そうともがく。
せっかく助けてあげたのにそんなことを言うんだね。
「…トモキ君も悪い子」
僕はナイフを握り直した。
『皆さん、よく聞いて下さい。昨日、皆さんと同じ年ぐらいの子供たちが殺されました。
殺された子供たちは悪い子だったのです。
この辺りには殺人鬼がうろついているのです。
皆さんが死んでしまうと先生は悲しいです。
くれぐれも悪いことはしないように。仲間外れなんてもってのほかですよ。
約束出来ますね?
良い返事です。
それでは、さようなら』
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