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【ホラー その他小説】

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「コウキくん、ハルマくんみっけ」

ごそごそと這い出る二人に石を差し出す。

「どちらをオニにしようかな」

言葉に合わせて交互に指を差す。

「かみさまのいうとおり」

神様は選んだ。

「ハルマくんがオ」

「バーカ!」

言葉を遮られる。

「おまえはずーっとオニなんだよ!」

ニタニタと笑っていただけのコウキ君も口を開いた。

「それ、とれないんだろ?」

「いしわたせなきゃ、そいつがずっとオニなんだぜ?」

気が付くとみんな隠れていたところから出て来て、周囲を取り囲んでいた。

「トモキがオニだ」

「あしたもね」

「オニなんてやりたくないもーん」

四方八方から笑い声が聞こえる。
蔑むような笑い。
面白いか?可笑しいか?
何がそんなに楽しいんだ?

「フフフ、いしがとれないなんてヘーン!」

ここは秘密の隠れ家。
友達の証拠。

「ともだちでしょ?どうしてこんなことするの?」

赤黒い汚い感情が体の中心で塊に成っていくのが分かった。
目の前にずいとタイガ君が歩み出た。その顔はひどく歪み、笑っているようにも泣いているようにも見えた。



「おまえ、ともだちじゃねーもん」



塊が、弾けた。

「…皆、死んじゃえ」





肩で息をしている自分に気付き、はっとした。
泣いていた。
頬を伝い滴る雫が赤い。
なぜ?いや、周りが血の海なんだ。考えなくても分かるだろう。
僕の全身、真っ赤なんだ。
未だ可哀想な『彼』は掌に石をぶら下げていた。
『彼』、いやトモキ君はペタンと座り込みガタガタと震えた。
いじめられて怖かったろうに。僕はトモキ君を助けたんだ。
いじめっ子から…汚い心の子供から…。


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