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律子の告白
【熟女/人妻 官能小説】

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月曜日-1

別に結婚生活に不満があったわけではないんです。

夫は根っからの真面目人間ですし、日々の生活も至って順調と言えました。

子供はいませんが経済的にはそこそこ恵まれていましたし、夫とのセックスも回数こそ多くありませんが、それでも物足りないというほどのことはありませんでした。

それならばなぜ私が浮気に走ったのか?

みなさん疑問に感じるところかと思います。

それについては私自身色々と考えてみたのですが、結局納得のいく答えは出ませんでした。



ただ、35才という年齢を前に私が焦りを感じていたことは確かです。

若くして結婚した私は夫以外の男性を知らず、女としてさして悦びも知らぬまま自分が終わっていくことへの心残りも幾ばくかはありました。

そんな時、玄水先生に身体を求められ、私の中の女が目覚めました。

こうして私は人妻でありながら、初めて夫以外の男性を受け入れました。

それはめくるめく官能の扉を開ける、第一歩でもありました。



「律子さん、筆は進んでいるかね?」

畳敷きの部屋に顔を出された先生は涼やかにそう仰ると、半紙に向かう私の横に片膝をついてお座りになりました。

年の頃50代後半、細身の長身に紺色の作務衣がよくお似合いです。

たっぷりの銀髪に品のよい面長の顔立ち、切れ長の瞳のすぐ下には高い鼻がそびえ立ち、薄い唇なども総じると一頃ブームになったあの首相にもどことなく面差しが似ています。

クールでリーダーシップがあり、それでいて母性本能を擽るタイプとでも言いましょうか。

当然そんな先生は女性にとても人気がありました。



先生は岩見玄水という名でテレビにも出る有名な書道家でありながら、屋敷の一部を解放して私のような一般人にも書道を教えて下さっています。

優しく丁寧に教えて下さることが評判を呼び、お教室は3〜40代の女性を中心に常に大盛況。

そのほとんどが玄水先生のファンのようにも見えました。



今日は近々開かれる作品展に出品する作品を仕上げなければならないのですが、どうにも納得したものにならず、私は途方に暮れていました。





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