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地獄に殴りこみ
【コメディ 恋愛小説】

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地獄に殴りこみ 〜3〜-1

ピピピピピピピ・・・
「んぁ?朝か・・・」
別に用事があるわけじゃないから目覚ましなんかかける必要はないんだが、習慣だな、こりゃ。
「う・・・ん。」
さて、と。まず状況整理といこうか。ここは俺の部屋。うん、間違いない。そんで俺は昨日寝る時一人だった。当たり前だ。結論・・・こいつがここにいるのはおかしい。
「起きろ、フェイ。なんでてめぇがここにいる。」
「んん、後半年・・・」
「・・・いいだろ。」
そのまま永眠させてやる。


〜デート?黙れ〜

「おはよ〜う、恭一くん。」
「あぁ、おはよう。レイミー。」
「ねえ、フェイ見なかった?部屋に居なかったんだけど。」
「さあな。どっか他の場所で寝てるんじゃねーか?」
「う〜ん、フェイは一旦寝ると中々起きないから・・・どこいるんだろ。」
「中々って半年くらいか?」
「いや、さすがにそれはないけど・・・。」
「おはよう。」
「よう、リック。おはよう。朝から無愛想だな。」
「ほっとけ。朝飯は?」
「そのうち来るだろ。」
ごはんはコックがいるらしく持ってきてくれる。ありがたいことだ。これで自分が死んでるとかじゃなければ最高なんだがな。
「フェイはまだか?」
「さぁな。どっかで安眠してるだろ。」
「?」
ドスン、ドスン、ドスン!!
「何?何の音?」
「さぁ?扉の向こうからだな。俺が見てこよう。」
がちゃ・・・ばたん!!
「どしたの、リック?」
「・・・布団が立ってた。」
「はぁ?」
「わからん、見間違いにしてはまだ扉を叩く音が続いてるし・・・。」
ドスン、ドスン!!
「もう一度開けるからよく見といてくれ。」
そういって恐る恐る扉を開けるリック。
「むむーーー!!」
「・・・なにあれ?」
「新種の妖怪か?」
扉を開けると縄で巻かれた布団が立っていた。いや、まぁ、やったのは俺だけどまさかあの状態から歩いてここまで来るとは。
「むーーー、むーーー!!」
「なんで布団が呻くんだ?」
「器用に動くわね。すずめみたい。」
確かに。あの動きはどう見てもすずめだ。まぁ、そろそろ開放してやってもいいだろ。
「リック。」
「何だ?」
「それはフェイだ。」
「なに?」
「その布団、フェイだよ。」
「・・・」
途端に迅速な動きで縄を解きだすリック。まぁ、確かに自分の好きな人が布団でぐるぐる巻きにされてたらそうするわな。
「むむーーー!!むーー!!」
「フ、フェイ、大丈夫か!?今解いてるから落ち着け。」
「ねぇ、恭一君。何であんなことしたの?」
「朝起きたら隣で寝てて、人が親切にも起こしてやろうとしたら『後半年〜』とか言ったからな。その願いを叶えてやっただけだ。」
「へ、へぇ〜。」
「ぶっはーーー!!し、死ぬかと思った!!酷いよ、恭くん!何でこんなことするのよ!?」
「自業自得だ、馬鹿」
「なんでよ〜。」
「お前朝どこにいた?」
「恭くんのベッドの中。」
「貴様!?殺してやる!!」
「落ち着けリック、別に俺は何もしていない。」だから箸で俺を刺そうとするな。


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