ジャンクション-1
きゃーー!
いってー!
学校の帰り道、私たちは出会いがしらにぶつかった。
次の瞬間だった。
なに、なに、なにい!!!!
え、どうしてえ???
自分が目の前にいるのだ。
違う、翔の中に私がいるのだ。
ってことは? 私の中に翔がいる?
体が入れ代わったってこと?
やだあ!どうしてえ!!!!
翔と彩は、幼稚園から高校まで驚くべき偶然が重なり、一度もクラスが別になったことがないという、世にも稀な同級生だった。
翔! なんてことしてくれたのよ!
なんとかしなさいよ!
よりによって、何で翔なの?
ほんと、やだあ!
なんだよそれ。こっちこそ、もっといい女がよかったよ!
バカ! そんなこと言ってる場合じゃないでしょ!
ほんと、バカなんだから!
そうゆうけど、どうなんだよ。
なんとかなんのかよ?
私は、のんきな翔に腹が立った。
しかし、そんなことを気にしている場合ではなかった。
分かんないわよ。翔も少しは考えなさいよ!
そんなこと言ったって・・・・
そうだネットで検索してみねえ?
私たちはネットカフェに飛び込み、かたっぱしから検索していった。
男と女の心と体が入れ代わる話しは、限りなくヒットした。
しかし、その全てが架空の物語だった。
なあ、彩、やっぱ、こんなこと漫画の世界の話で、現実に起こるはずがないよ。
俺たち、夢見てるんじゃねえか?
いってえーーー!
私は、翔のほっぺたを、おもいっきりつねってやった!
どお? 夢から覚めた?
そう、とんがるなよ。
あ、やだあ。もう、こんな時間じゃない。
帰らないと事件になるわよ。
どうしよう・・・・
今日は、お互い相手の家に帰るしかないな。
いや! それだけはいや!
そんなこと言ったって、他にどうすんだよ。
私には、翔を部屋に入れたくない理由があった。
しかし、この状況では・・・・
まったく信じられない。
何もかも納得が行かない。
この現状を受け入れることなど断固拒否したい。