「prelude」-1
ドラマみたいなことって本当にあるんだなぁって思った。
スラっとした体型に柔らかそ〜な髪の毛。
落ち着いた、低くてちょっと甘い声…
どこまでも、ひたすら優しい瞳…
「…木!夏木!!」
「ははいっ!!」
「しっかりしろよぉ?はい、158ページ早く読む!」
「はいぃっ!」
慌てて立ち上がり、ページを捲る…
「はい、そこまで。じゃあ次は〜根元!」
「はい。」
町田伸明先生。
社会科の歴史を教えてる、28才。
陸上部の顧問も持ってて、学生時代は駅伝の選手だったんだって。
いくつかの実業団からお誘いをもらっていたにも関わらず、教師になったらしい
…
若くてカッコイイ、素敵な先生なんてドラマか漫画の世界にしかありえないと思
ってたけど、現にここにいるのだ…
夏木紗羽、町田先生に本気で恋してます…
「はぁ…」
「なぁに溜め息ついてんだよ。」
「…なんだコージか」
「うわ感じワル。なんだとは何だよ。」
西野宏二。幼稚園からずっと同じクラスで、いわゆる腐れ縁てヤツだ。
「なによぉ。ほっといて。」
「まだ帰んねぇの?今日塾の日だぜ?」
「う〜ん。ぼちぼち帰るけど…」
「なんだよやる気ねぇな。そんなだからマッチに怒られんだぜ?」
「なっ!///うるさいっ!」