「prelude」-5
公園は真っ暗で人の気配ゼロ。
まぁ、走れば1分もかからないでしょ。
「きゃ!」
「…ってぇ。」
人いたんだ…
暗くて全然わからなかった。
「ごめんなさい。…あの、大丈夫ですか?」
「…全然大丈夫じゃねぇよ。骨折れた。」
え?
あんな軽い衝撃で…?
「…治療費払えよ。」
「え。」
やだ。
目が慣れてきて相手がよく見えるようになったけど、なんかヤクザみたいだよ…
こわい…
「お。なに、よく見りゃカワイー顔してんじゃん。中学生?」
男が肩を抱いてきた。
物凄い嫌悪感から鳥肌がたつ…
「まぁ、中学生じゃ金もないだろうし、身体で払ってくれてもいいよ?」
「いや…」
「え?なに?きこえないなぁ…いてぇ!!」
男が急に悲鳴をあげ、それと同時に私の身体は他の誰かに引き寄せられた。
「お前、そんなことしたら犯罪だぜ?」
うそ。
この声…
「町田せんせ…?」
「…っ先公かよ…」
そう言うと男はあっと言う間に逃げて行ってしまった。