まちぶせ-4
・・・・・・
映画が終わると、どちらからともなく手を繋いで歩き出した。
ひろみは、手を引かれるままに貴之についていった。
冷たい風の中を、貴之に手を引かれて歩いていく。
貴之の手がとても暖かかった。
ひろみは幸せだった。
しかし、この掛け替えのない時間もいつかは終わり、貴之は龍崎のもとへ戻っていく。このまま分かれるのが辛かった。
先輩!
ひろみが、貴之の胸に飛び込むように抱きついた。
立ち止まった二人を無視するように、人ごみが流れていく。
先輩、好きです。
後悔してますか?
先輩がいやなら、もう誘ったりしません。
ごめん。ちがうんだ。ただ・・・・・
貴之の気持ちが痛いほど伝わってきた。
やさしい貴之は悩んでいるのだ。
ひろみは、これが最後のデートになることを覚悟した。
先輩。男の人って、あんな映画をみるとしたくなるんですか?
もし、そうなら、できますよ。
私、履いていないんです。
先輩がしたいときにできるように、履いてこなかったんです。
貴之のなかで、何かが音を立てて崩れおちた。
貴之は、通りであることを忘れたかのように、ひろみを強く抱きしめ唇をむさぼった。そして、ひろみの手を強くにぎると裏通りへ向かい、人気の無いビルに入りこんだ。
ひろみ。実は僕と龍崎くんは、体の関係はないんだ。
え、じゃあ先輩も始めてなんですか?
ああ。
初めての人になってくれるかい?
はい。
ひろみは頷くと、ビルの冷たい壁に手をつき思い切ってヒップを突き出した。
貴之はズボンを降ろし、ひろみのヒップを両手でつかむようにして男性自身を押し付ける。
先輩。もう少し上です。
ここ?
あん。もう少し・・・・
あ、そこ、そこです!
ずりゅうううう。
はああああああ!!!
進入に手間取り冷え切った貴之のペニスは、燃えるように熱いものに包まれていた。